猛禽類の狩りも命がけ

肉食獣の狩りが命がけであることは前回書いたが、ワシやタカなど猛禽類の狩りもまた命がけだ。
Martial Eagleが大木の頂上に止まり獲物を探していた。1時間ほど経った頃、Martialが獲物を見つけたようだ。首を伸ばして前方下部をさかんに見ている。ひょいと飛び立ち降下した。翼をすぼめて翻るように急角度に地上に向かって降下してブッシュの裏に消えた。少し待つが出て来ない。

狩りに成功したと思い、その辺りが見えるところに移動する。降りたところはほぼピンポイントで分かっているのだが、見つからない。そのうちに翼と尾羽を半開きにしてボロ布のように地上に伏せているMartialを発見した。
獲物をおさえこんでいるのだと思うが、姿勢があまりにも低く横たわっているように見える。しばらくして頭を上げたので、後方から顔が見えた。すぐに頭を下げて見えなくなった。何度か頭を上げたり下げたりを繰り返した後、立ち上がった。脚で頭を掻き、羽繕いをしてから飛んで行った。しかし、獲物はなく、狩りは失敗していた。

地上に横たわるようにして時々頭を上げる

狩りが失敗して10分以上もの間、地上に横たわるように動かなかったのはなぜだろうか?それも普通に座っているというよりも倒れているように見えた。おそらく獲物に襲いかかった時、誤って地面に激突したのだと思う。以前日本でクマタカが林道脇で死んでいるのを見つけたことがあった。これも獲物を追いかけて林道の法面に激突して死んだものと考えられた。今回のMartialは脳震盪を起こしただけで事なきを得た。

立ち上がったが、獲物はなかった

猛禽類も楽々と獲物を手に入れている訳ではない。特に獲物が鳥類の場合には、地上すれすれまで猛スピードで突っ込んで行くので、地上への激突の危険性も高い。どこまで猛スピードで突っ込めるかで狩りの成功率は変わるだろう。成功率を上げるためには危険度も高まる。厳しい選択だ。

✳ 23日にアフリカを発ち、24日夜に日本に戻りましたが、もう少しアフリカの動物についての報告を予定しています。