イーグレットニュース: 伊吹の野生だより

間近でライオンに見つめられた

今日は早朝から運良くライオンに出会った。数頭のライオンが少しずつ間隔を置いて一直線に歩いている。その方向には池がある。池に到着するとすぐに水を飲み始めた。数分間かけて水を飲んだ後、そこに座り込んだ。群れの構成は、オスが2頭にメス3頭、子供が2頭の合計7頭だ。

しばらくして1頭の雄ライオンが立ち上がりゆっくりと歩き始めた。まっすぐにこちらに向かっている。望遠レンズ越しに見ていると、もうライオンの顔が車の窓から入って来そうだ。慌てて肉眼で確認するとライオンは数メートル先だった。もう目と鼻の先だ。車の中とはいえ少し緊張する。ライオンは僕の正面で立ち止り、車の中の人間を確認するように見ている。キョロキョロとまわりに止まっている車も確認してからまた歩き始めた。

ライオンは少し先で座った。そこでもまた行き来する車を1台1台確認するように見ている。国立公園内のライオンは人間を気にすることなく、空気のような存在として無視していることが多い。今日のこのライオンの行動は、特定の人間を探しているように僕には思えた。その人間が現れた時、このライオンはどのような行動をするのか?想像は膨らむばかりだが、この行動を説明できるような出来事は起こらなかった。

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南アフリカは鳥の渡りの季節

飛行機の旅を無事に終えて、今日からクルーガー国立公園を隈なく走り回って動物を探す。隈なくといってもクルーガーは日本の四国ほどの広さがあるので見て回れるのはほんの一部分だけである。

ファラボルワゲート。今回の大半はここから国立公園に入場することになる

イヌワシの仲間のWahlberg’s Eagleがせっせと近くの木から巣材の枝を折り取って巣へ運んでいた。Wahlberg’sは9月に入ると渡って来て繁殖を開始したばかりだ。
Tawny Eagleの巣では、巣立ったばかりの幼鳥が近くの枝に止まって親鳥が獲物を持ち帰るのを待っていた。大型のAfrican Whitebacked Vultureは、抱卵や育雛期が長いので、まだ育雛中の巣が多い。日中は日差しが強く結構暑くなって来たので、親鳥は巣の上に立って雛のために日陰を作っていた。
滅多に見れないGiant Eagle Owlが木に止まっているのを発見した。枝葉に隠れてスッキリと姿が見えないのが残念だった。
乾季も終盤になって水場が干上がっているところが多くなっているせいか今日は動物との出会いが少なかった。

巣材を運ぶWahlberg’s Eagle

育雛中のAfrican Whitebacked Vulture。雛に日陰を作っている

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ドローンで空から訪問。ニホンジカの群れ

上空から見るとシカに食い荒らされて草地がパッチ状になっているのがよく分かる。以前は膝から腰あたりの高さまで植物に覆われていた草地が、今では背の低い植物がパッチ状に生育しているだけになっている。シカが日中に隠れている林の中は草地以上に林床の植物がなくなっている。数十頭のシカが毎日食べているのだから、植物の成長がとても追いつかない。
ドローンで手軽に上空から観察や撮影ができるようになったのだが、野生動物にとってはかなり迷惑なものになりかねない。シカはこれまで遭遇したことのないドローンにかなり警戒している。100mほどに近づくとドローンのプロペラ音に反応して警戒し始める。さらに接近すると、ある程度の距離を保とうと少しずつ逃げ始める。
スピードを上げて一気に接近しようものならパニックになって逃げ惑う可能性がある。撮影するつもりが動物たちを追い回すことにならないように、自分自身も十分注意しなければいけない。ドローンの接近によって営巣中の鳥が営巣放棄したり、幼い子連れの獣などは親子がはぐれてしまったりすることも起こりうるからだ。



P.S. 今日からアフリカへ撮影に出発します。今回は1ヶ月あまりを南アフリカのクルーガー国立公園で過ごす予定です。多くの場所でWiFi環境があるので、アフリカの様子を随時発信する予定です。

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80頭ものニホンジカが現れた

ニホンジカは全国的に個体数が増えている。伊吹山でも同様で、かつてはその姿を見ることは滅多になかったけれど、現在は山の斜面に何頭ものシカをすぐに見つけることができる。
シカは、登山者など人間の山への出入りが少なくなる頃に、林の中から一斉に草地へ出て来て植物を食べる。数十頭ものシカが毎日のように夕方になると出て来るのだから、植物がほぼ食い尽くされて裸地化している場所があちこちに点在している。



80頭ものニホンジカが、林の中から草地に出て来た

このビデオの画角の中だけで80頭近いシカがいる。僕の視界の中にはこれ以外にも何十頭ものシカが見えているのだからすごい数だ。昨年の11月に撮影したものだが、その頃には毎日これだけのシカが夕方になると草地に現れた。今年はこれほどの大群ではないが、40〜50頭が毎夕現れる。
草地が裸地化したところは遠目にもよく分かる。外からでは分からない林の中でも、林床の草や低木が食べられて、大木を残して裸地化が進んでいる。人間が山仕事に入らなくなってから山が藪化していたのが、シカによって再び林内の見通しが良くなった。
シカの増加により、裸地化が進行し雨で土砂崩れが起こりやすくなったり、樹皮を食べられて植林木が枯れてしまったり、お花畑の花が減少したりと心配な面もたくさん出てきている。

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キジ VS アオダイショウ

岐阜県の林道を車で走っている時、前方にキジを発見して少し手前で車を止めた。キジは少しこちらを気にしたが、すぐに足元にある何かに向かって素早く嘴で攻撃した。攻撃しているのは長さが1mほどもある大きなアオダイショウだ。執拗に頭部をめがけて正確に嘴で突いている。すでにアオダイショウは生気を失っているように見えるが、まだまだうごめいている。頭部をかなりやられているので攻撃力はほとんどなさそうだ。
ヘビを食べることが目的なのだろうか?しかし、食べるには大きすぎる。キジはヘビに雛や卵を食べられることがあるので、ヘビを見ると攻撃するのだろうか?かなり危険リスクは高いはずだ。
そういえば昔飼っていたニワトリが小さなヘビをつつき殺して丸呑みしたことがあった。キジはニワトリと比べると、たくましくてクチバシも鋭く尖っているから大きなヘビでも殺す力は持っているのだろう。
ヘビが動かなくなってくるとキジの興奮が収まり、次第にこちらを気にするようになった。草むらに隠れたり出たりを繰り返し、やがて姿を現さなくなった。



キジとアオダイショウの闘争は、キジの圧倒的な勝利だった

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雄カモシカ、オレンジに接近

久しぶりに雄カモシカが現れた。オレンジに接近して匂いを嗅いだり擦り寄ったりしてくるので、オレンジは迷惑そうだ。
今年もカモシカの発情期が近づいて来たのだ。雄は子育てにはまったく関与せずにオレンジ母子とは離れて行動していたのだが、今日はずっと近くにいる。
これから親子3頭水入らずの生活がしばらく続く。いやオレンジ母子にとって雄カモシカは水入りなのかもしれないが…



乳を飲もうとする子カモシカ。雄カモシカが現れオレンジにまとわりつく

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オレンジカモシカの子育て順調

9月に入ってかなり涼しく過ごしやすくなった。撮影中はまわりの木でセミの大合唱が続いている。夏の初めにヒグラシで始まり、暑さ厳しい盛夏の頃にはミンミンゼミ、そして今はツクツクボウシが賑やかだ。
8月初めの台風による大雨で姉川が氾濫し、山のあちこちで林道が崩壊した。沢からは土砂が流れ出している。斜面にも大水が流れたらしく、あちこちに深い溝ができている。ブッシュの陰で見えにくいので足を突っ込んでしまうと危険だ。
そのような凄まじい豪雨を野生動物たちはいとも容易く(僕にはそう見える)やり過ごして、いつもと変わらぬ元気な姿を現してくれた。オレンジカモシカ母子もどこで風雨をしのいでいたかは分からないが、大雨の3日後には元気な姿を見ることができた。
子カモシカは独り立ちする日が近づいているのかオレンジから少し離れて行動することが多くなった。小さいながらも角が伸びてきている。



オレンジカモシカ母子。子カモシカにも角が伸びてきた

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クマも木から落ちる

今春はいろんな花が咲くのは例年よりかなり遅かった。サクラは1週間から10日遅れで、山のタムシバは10日以上も遅れて4月下旬に満開になった。毎年この白い花を食べにクマが木に登る。

一月近く前のことになるが、今年も満開のタムシバの木に親子のクマが現れた。ガバガバと花を食べながら枝先へ登っていく。枝がしなり、クマは一旦躊躇したものの花の誘惑に負けて一歩踏み出した途端に木から落ちてしまった。しかし、枝に片手でぶら下がって地上まで落ちずに止まった。落ちていく重い体重を片手で受け止めるとは、クマはやはりすごい。
1歳を過ぎたばかりの子グマのほうも不安定な細い枝の上でフラフラよろけている。そのうちに子グマも落ちた、が、同じ枝に前肢で掴まってぶら下がっている。雲梯のように前肢を交互に動かして、枝の太いところまで戻った。

クマの木登りを見ていると、時には落ちることもあるだろうといつも思っていたのだが、やはり落ちるらしい。しかしこの運動能力なら怪我をすることはほとんどないのだろう。



クマも木から落ちる。タムシバの花の誘惑

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オレンジカモシカ3年目の連続出産

オレンジカモシカの出産を今か今かと待っていた。ついに今日、生まれて間もない子カモシカを確認した。灌木の藪の中にオレンジと一緒にいたので、小さな子カモシカの姿は木々の間からチラチラとしか見えない。オレンジはガシガシと木の新芽を食べている。その足元でヨロヨロとうごめいている。
昨日の昼には、オレンジは子カモシカを連れていなかった。昨夕から今朝にかけて出産したのだ。子カモシカを気遣って、オレンジはほとんど移動せずに近くの木の葉を食べていた。



オレンジカモシカの足元で、ヨロヨロとうごめく生まれて間もない子カモシカ

ニホンジカも出産の季節だ。1週間ほど前から時々子連れの母ジカの姿を見かけるようになった。ニホンジカの場合は、子ジカを藪の中に置いて採食に出て行くので出産しているのかどうかは分かりにくい。

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ニホンジカ、侵入防止策の向こうで…

集落に張り巡らせてある野生動物の侵入防止柵の向こうで、一頭の若い雌ジカが恨めしそうに田畑を眺めている。今の季節、田畑はまだ雪に覆われていて食べるものはほとんどない。食物を求めているのではなく、行く先にフェンスがあって阻まれたのでボーとしているだけなのかもしれない。
時々下にある草を食べながらゆっくりとフェンスに沿って移動していった。



農地を囲むフェンスの前でたたずむニホンジカ

侵入防止策が張り巡らされると、そこを行き来できなくなった大型獣はフェンスに沿って歩いていることが多い。フェンス沿いにはシカの足跡が道のようになって続いている。ところどころフェンスと地面の隙間を広げてイノシシが侵入した痕跡がある。
しかしながらフェンスができてシカやイノシシの農地への侵入は格段に少なくなった。

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