丘の上のアナグマハウス 5月1〜15日

アナグマは巣穴への関心がなくなったのか、この期間巣穴に来ることはなかった。タヌキのほうは興味津々で、毎回だんだん巣穴の奥へと入って行く。ニホンザルとテンが初めて姿を見せた。夏毛のテンは顔が真っ黒だ。冬のテンの顔は白い。
ニホンジカとニホンリスが近くを通過し、コウモリとネズミは何度も姿を現した。ネズミは巣穴に頻繁に出入りを繰り返していた。このアナグマハウスの一角で子どもを産んだと思われた。数日後には、子ネズミと思われるものをくわえて、巣穴から出て行くのが何度も見られた。くわえていたのが子ネズミかどうか断定はできなかったが、その後、ネズミの出現が極端に少なくなった。子ネズミをどこか別の巣に移動させたのだと思う。

タヌキは巣穴からビニール袋を引っ張り出した。今年はこの巣穴を使っていないので、昨年かそれ以前に持ち込まれたものだ。次に現れた時には、巣穴の中に全身が隠れるまで入って、方向転換をして頭から出て来た。その次の時には、2頭ともに巣穴に入り、2分ほど経ってから出て来た。
しかしその後は、ほとんど姿を見せない。一度だけ来た時には、巣穴には入らず、まわりで盛んにカマドウマを捕食していた。


秋晴れにサルもくつろぐ

伊吹山は先日からしばらく雪化粧して白くなっている。今日は久しぶりの快晴で、山麓では暖かく気持ちの良い天気だ。
田んぼにサルの群れが出てきて、稲刈り後の落ち穂を拾って食べている。畦の植物を食べる個体や座って気持ちよさそうに日向ぼっこをしているもの、若いサルは2〜3頭で元気にじゃれあって遊んでいる。

サルが田畑に出てくると、農家の人たちが手をかけて作った農作物が食べられてしまうので、普段は見つけるとすぐに追い払うのだが、今日はあまりにもサルたちが心地よさそうにしているので、追い払いはやめて僕ものんびりと観察することにした。冬を目前に控えて畑にはほとんど作物がないので、サルたちが悪さをすることもない。

20頭余りのサルがいる。時折車が近くを通ると、サルたちは山手の林の中に姿を隠す。車が通り過ぎるとすぐにまた姿を現す。そんな風に2時間ほど過ごした後、別の場所へと移動して行った。
秋晴れの暖かな日差しのもとで、サルたちはいつもよりくつろいでいるような気がした。



秋晴れの1日、サルたちはのんびりと採食し、じゃれあって過ごす

畑に現れ作物を食べるサル

土砂降りの雨の中、家の前の畑にニホンザルが現れた。当然のことながら畑の作物を目当てにやって来ている。さっそく畑の中で何かを食べ始めた。1頭が一抱えもある大きなカボチャを見つけて食べ始めた。まわりのサルたちも羨ましそうに少し距離を置いて見ている。右側から大きな雄ザルが近づいてくるのを見つけると、そのサルはカボチャを置いて立ち去った。大きな雄ザルはうまそうにカボチャにかぶりついた。
その雄ザルが去るとすぐに、別のサルが来てカボチャを食べ始めた。まわりを盛んに気にしている。人間への警戒と、仲間のサルの動きを見張っている。少し大きめのサルが近づいて来るのを見ると、おどおどとして落ち着きがなくなる。いよいよ逃げ出す時、さっとカボチャを抱え上げて、あたふたと薮の中へ消えた。
サルたちの行動を見ているのは楽しいものだが、農家の人たちの苦労を考えるとこのまま見過ごす訳にはいかない。何より問題なのは、このまま放っておくとサルたちの行動はますますエスカレートし、家の中にまで入って食物を取っていくようになる。このようなサルは有害獣のレッテルを貼られ、いずれ捕殺されてしまうことになる。
そうならないことを願いながら、僕はロケット花火を打ち上げてサルを畑から追い払った。



カボチャを食べる。逃げる時にはカボチャを抱えてあたふたと