伊吹山のイヌワシ幼鳥「サーナ」2024年10月1日 タヌキのご馳走



サーナの今日のご馳走はタヌキだった。
ドライブウェイに近い山の斜面でタヌキが死んでいるのを両親ワシが見つけた。僕のすぐ近くに突然急降下してきたワシにびっくりさせられた。

死んでいるものにはいつも少し警戒する。今回も母ワシは何度か急降下で接近したが、掴みかかることはなかった。そのうちに父ワシが急降下して一気に持ち去った。

獲物を捕らえた個体が最初に食べる。父ワシが食べ、20分後にサーナがその獲物の分け前にありついた。母ワシまでの獲物が残るかは分からない。
2時間ほど経ってサーナに動きがあった。母ワシが獲物を食べる時が来たのかもしれなかった。

第8回伊吹山イヌワシ観察会 参加募集間もなく終了

「第8回伊吹山イヌワシ観察会」はたくさんの皆さんの参加申し込みをいただき間もなく定員となります。
定員になりましたら受付は終了します。

予備日の20日には少し空きがあります。

イーグレットオフィス主催での観察会は今回10月で終了です。
次回11月は米原市主催で「里山LIFEアカデミー in 伊吹山」でイヌワシ観察会を開催する予定です。

第8回伊吹山イヌワシ観察会のお知らせ

「第8回伊吹山のイヌワシ観察会」を2024年10月19日(土)に開催します。
19日が雨天の場合に備えて20日を予備日とします。
両日とも悪天候が予想される場合、10月の観察会は中止となることがあります。

イヌワシの幼鳥サーナは、徐々に行動範囲を広げながら元気に飛び回っています。
伊吹山の山頂部の紅葉は10月下旬頃です。
紅葉をバックにサーナが観察できることを期待しています。
多くの皆様の参加をお待ちしています。

第8回伊吹山イヌワシ観察会案内
イヌワシ観察会案内

参加申込書
参加申込書(Excel)
参加申込書(PDF)

イーグレットオフィス主催の無料での観察会は10月が最後です。
11月は米原市のイベントとして観察会を開催予定です。

第7回伊吹山イヌワシ観察会 雨予報のために中止

9月21と22日の両日とも、雨で霧もかかりそうなので今回の観察会は中止としました。
参加予定だった皆さんには申し訳ないですが、天候には勝てません。観察会と天気の巡り合わせが毎回異様に悪いです。
今回中止でリフレッシュして来月から仕切り直したいと思います。

「第7回伊吹山イヌワシ観察会」は幻となりましたが、次回の第8回こそはサーナに会いましょう。
第8回は10月19、20日になりそうです。来週半ばに案内を出します。
またお会いしましょう。

ニホンジカ 袋角から枝角へ



ニホンジカは雄だけに角がある。年齢を重ねるほどに立派になる角が、毎年落ちて新たに伸びてくる。4月中旬頃に角を落とす個体が多いが、個体によって早いものや遅いものがいる。早い個体は3月末に角を落としていた。

角が落ちるとすぐに新しい袋角と呼ばれる表皮に包まれた柔らかい角が伸び始める。4ヶ月ほどかけて袋角が成長する。8月末から9月初め頃に表皮が剥がれて骨化した硬い角が現れる。

9月になるとニホンジカの繁殖期に入る。雄ジカたちは雌ジカを求めて争うことになる。この時期には雄ジカは他の雄ジカが近くにいることをかなり気にするようになる。大抵の場合は戦わずに自分の強さをアピールして勝敗が決まる。強さイコール角の大きさのようなのだ。大体は角が大きいほうが勝つ。同年齢で角の大きさがほぼ同じの場合は、お互いの角を絡めて押し合って勝負している。
9月には新しく大きくなった角が骨化して頑丈になるのも、雌をめぐる戦いに勝つためだ。

9月に入り、雄ジカが雌ジカを獲得するために忙しく活動する季節になった。雄ジカの「ピー〜」と鳴くラッティングコールが山に響き渡る。

第6回伊吹山イヌワシ観察会 報告

8月24日、バスは8時に米原駅を出発し、7月の第5回観察会で見たミサゴの巣を遠目に見ながら通過した。巣にはもう雛はいないようだった。
関ヶ原駅を経由してドライブウェイの入り口で全員がバスに乗車した。40名の参加者でほぼ満席になった。

1週間前の天気予報では雨の予報で、開催も危ぶまれた。天気が好転する兆しが現れたのは2日前になってからだった。雨マークがなくなって曇りの予想。伊吹山は霧がかかりやすい山なので、すっきりしない天気だと霧に覆われる心配が残るが期待できそうだ。
前日の予報では一時的に晴れマークも出てきて、僕の気持ちも晴れやかになってきた。
朝、伊吹山がすっきりと見えている。天気は良くなった。

観察を開始してまもなく、対岸斜面にツキノワグマが現れた。足早に尾根を超えて裏側に消えた。
サーナを探して皆で観察を続ける。それにしても今日は暑い。標高1,000mを越える山の上とは思えないほど暑すぎる。バスが作る日陰に入って観察する。
昼のトイレ休憩の時間が来た。イヌワシは成鳥が遠くに少し見えただけだ。休憩する時間も惜しいので、休憩時間を短縮して観察地点に戻った。

バスの日陰を利用して観察

山頂への散策は、サーナが出現していないので観察を続ける人が多く、今回は少人数で出発。歩人倶楽部さんの花の案内を聞きながらゆっくりと登山。山頂部一帯はシカ侵入防止策で囲ってあるので、外側よりも明らかにたくさんの植物が生育している。それでも柵の内側にも少数のシカがいる。シカが食べない植物が残って目立っている。シカが食べないサラシナショウマが白く咲き誇っている。
ワレモコウが深紅の小さい花を咲かせている。昔、尾瀬に行った時にその花を知り、それ以来のワレモコウファンの僕は、シカに食べられずに咲いているのを見て嬉しかった。
イヌワシが出てこないかと登山しながらも空を見上げて歩いた。ハヤブサ幼鳥が山頂を素早く横切った。チョウゲンボウは3回出現があり、皆でゆっくり観察ができた。
観察継続チームからイヌワシ成鳥が飛行し、ドライブウエイ法面の上に止まったと無線で連絡があった。山頂からは見えないところだ。駐車場まで下山すれば見ることができる。残念ながら下山する前にイヌワシは飛び去った。

8合目駐車場から山頂を見上げる

サラシナショウマが目立った

観察チームと合流し残り1時間ほど、全員で全力でサーナを探す。サーナは現れなかった。
今日のファーストディスカバリー賞は、サーナの発見がなかったのでクマの発見者かイヌワシ成鳥の発見者か迷ったが、遠くを飛翔するイヌワシ成鳥を発見された和歌山県から参加の森下仁美さんに決定した。
最初の発見によって観察への集中力がさらに高まりました。ありがとうございました。
サーナと会うことはできなかったが、次回に期待して帰路に就いた。

最初の発見に感謝

サーナの出現がなく気になっていたので、4日後にイーグレット総出でサーナの行動を調査した。霧が多い天気だったが、サーナは何度も出現し、親ワシについて飛び回り、ホッとした。
サーナはこの1週間ほどの間に行動範囲を広げていて、かなり遠出をしていた。観察会の時も伊吹山から離れて行動していたのかもしれない。

伊吹山のイヌワシ幼鳥「サーナ」2024年8月雌雄判別



野外でイヌワシの性別を外見で判断するには、大きさと体形を雌雄が分かっている個体と比較する。イヌワシは雄より雌のほうが大きい。雌雄の大きさの違いはそれほど顕著ではないが、1km以上離れていても注意深く観察することで大きさの違いを認識することは可能だ。
注意する点のひとつは、比較する2羽が観察者から同じ距離にいるかどうかを見極める必要がある。2羽が離れているのに同じところにいると勘違いすると、遠くにいる個体が大きい雌であっても小さく見えて、雄と間違えてしまうことがある。もうひとつは、飛行している場合に、翼の形や見る角度によって大きく見えたり小さく見えたりすることだ。何度も観察して総合的に判断する必要がある。

サーナはどうだろうか?雌ワシと一緒に飛行している時、ほとんどの場合に明らかに小さく見える。雄ワシと飛行している時は、同じくらいかやや大きく感じる。また親子3羽が同じところに止まったときには、雌ワシのようにボリューム感はなく雄ワシと似た体形だ。
サーナは雄ワシである。  可能性が極めて高い。

第7回伊吹山イヌワシ観察会のお知らせ

「第7回伊吹山のイヌワシ観察会」を2024年9月21日(土)に開催します。
21日が雨天の場合に備えて22日を予備日とします。
両日とも悪天候が予想される場合、9月の観察会は中止となることがあります。

イヌワシの幼鳥サーナは、徐々に行動範囲を広げながら元気に飛び回っています。
狩りに挑むサーナが観察できると期待しています。
多くの皆様の参加をお待ちしています。

第7回伊吹山イヌワシ観察会案内
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伊吹山のイヌワシ「ニーナ」の巣、ライブ配信のお知らせ

昨年ライブ配信をしましたニーナの巣をもう一度見たい、一周忌に黙祷したいという要望がありましたので、7月30日16:00〜18:00までの2時間、ライブで巣を見ていただくことにしました。

巣は昨年から大きな変化はなく、しっかりと残っています。今年も一輪のコオニユリが7月16日から22日まで咲いていました。

今年は1〜2月に巣造りをしましたが、その後は使用されることなく巣は空のままです。
興味のある方はご覧ください。

イーグレット・オフィスのYouTubeチャンネル、「伊吹山イヌワシライブ 2024-07-30」です。
https://www.youtube.com/@EagletOffice/streams