サーナはまだ両親のそばで暮らしている。朝から午前中いっぱい、親子で一緒に過ごしていた。サーナは自力での狩りはなかなか困難なのだろう、両親のそばで時々コールして獲物を要求していた。
ペアが2回交尾するのを観察した。今年の繁殖に期待が高まるが、交尾と産卵はあまり関係がない。
父ワシのそのうが少し膨れている。この枯木に親子が止まり、沢への飛行を何度も繰り返したことから想像を巡らせると、昨日くらいに捕獲した獲物の残骸が枯木から見える沢部にあるのではないか。枯木と残骸を何度も行き来するが、獲物は骨と皮だけになってもう食べるところはない。
この日はそのような状況だったのではないだろうか?この予想が当たっているかどうか、あと1時間雪山を歩いて予想の真偽を確かめに行きたい衝動に駆られたが、残骸があるかもしれない場所が絞り込めないので見つけられる可能性が低く諦めた。
正午近くになって、サーナと両親は別々の方向へ飛び去り、それぞれの活動を開始した。