伊吹山のイヌワシペア産卵

巣材を運ぶ雌ワシ

一昨年にニーナが巣立った巣でのライブ配信を今年1月から開始し、巣造りの様子を観察することができました。しかし、雄ワシが一生懸命巣造りしているのに対して雌ワシは滅多にこの巣を訪れることはありませんでした。雌ワシは一昨年の子育て中に起きた落石を恐れているようでした。
1月末からは雄ワシもこの巣に巣材搬送しなくなりました。

2月14日には別の巣へペアで巣材搬送しているのを確認しました。遠方からの観察で巣を直接見ることはできませんが、26日には雌雄が抱卵を交代したと考えられる巣付近への出入りを何度か観察できたことから、産卵していると推測されます。

ニーナが巣立った巣のライブ配信は2月28日で終了します。

今年も繁殖が順調に進み雛が巣立つことを祈って、今後は繁殖の様子を随時お知らせしていきます。

滋賀県獣医師会の一般市民講座で講演します

2月16日の14時から、滋賀県立琵琶湖博物館で開催。
DVD「ツキノワグマ」を観ながらクマの生態や撮影のエピソード、イヌワシをメインにニーナやサーナの話を交えて野生動物との共存について話をします。

琵琶湖博物館は見どころがたくさんあって面白いです。午前中に博物館を見学したあと、野生動物市民講座へお越しください。

令和6年度 講演会チラシ

問い合わせ先:公益社団法人 滋賀県獣医師会
https://shigavet.com/kenshuu/2月16日日-令和6年度-野生動物研修会-一般市民講座を/

伊吹山のイヌワシ幼鳥「サーナ」2025年2月1日 親子3羽で過ごす



サーナはまだ両親のそばで暮らしている。朝から午前中いっぱい、親子で一緒に過ごしていた。サーナは自力での狩りはなかなか困難なのだろう、両親のそばで時々コールして獲物を要求していた。
ペアが2回交尾するのを観察した。今年の繁殖に期待が高まるが、交尾と産卵はあまり関係がない。

父ワシのそのうが少し膨れている。この枯木に親子が止まり、沢への飛行を何度も繰り返したことから想像を巡らせると、昨日くらいに捕獲した獲物の残骸が枯木から見える沢部にあるのではないか。枯木と残骸を何度も行き来するが、獲物は骨と皮だけになってもう食べるところはない。
この日はそのような状況だったのではないだろうか?この予想が当たっているかどうか、あと1時間雪山を歩いて予想の真偽を確かめに行きたい衝動に駆られたが、残骸があるかもしれない場所が絞り込めないので見つけられる可能性が低く諦めた。

正午近くになって、サーナと両親は別々の方向へ飛び去り、それぞれの活動を開始した。