丘の上のアナグマハウス 4月21〜30日

巣穴のまわりにはいろんな動物がやって来る。今回新たにハクビシンとニホンリスが出現した。巣穴を利用するタヌキやアナグマは、巣穴に興味津々で、覗き込んだり少しずつ奥へと入ってみたりしながら、におい付けをして去って行った。
巣穴は、カマドウマが集団でねぐらにしている。夕方暗くなると穴から出て、四方八方へと分散して行く。明け方には巣穴へと戻って来る。これが毎日繰り返されている。
普通にビデオを再生している時には、カマドウマに気づかなかったのだが、50倍速くらいで早回しすると、続々と巣穴から出て来たり帰って行くのが見えてくる。
カマドウマを狙って、コウモリが毎日のようにやって来る。カマドウマを捕食しているのはコウモリだけでなく、タヌキも食べていた。
タヌキは4月18日にも現れた、1頭が左後脚を怪我している夫婦だ。恐る恐るではあるが、体全体が隠れるまで巣穴に入って様子を見ていた。


丘の上のアナグマハウス 4月16〜20日

4月16〜20日の間にキツネ・アナグマ・ノウサギ・タヌキが巣穴近くに現れた。
キツネは4月11日の個体と同一で、右前脚を怪我している。
アナグマは、夜と朝に出現した。巣穴のまわりに下腹部を擦り付けるようにマーキングし、巣穴を覗き込んで去って行った。
ノウサギが丘の上を通過した。
夫婦と思われるタヌキが交互に巣穴に入ってしばらく様子を見て去って行った。巣穴をかなり気にしている。


全速力で巣穴へ逃げ込む子ダヌキたち

子ダヌキたちはだいぶ大きくなった。毛色は茶色っぽくなり、目のまわりが黒っぽいタヌキ模様になっている。
10時頃に親ダヌキが巣穴の前に来ると、子ダヌキたちはすぐに巣穴から出て来た。親ダヌキについて歩く。巣穴から離れてどんどん歩いて僕からはブッシュで見えなくなった。しばらくすると子ダヌキだけが次々と戻って来た。最初はゆっくりと歩いていたが、巣穴まで7〜8mになると急に慌てて全力疾走で巣穴へ飛び込んでいく。子ダヌキにしてみれば、恐る恐る遠出をしたものの巣穴が見えると一刻も早く安全地帯に逃げ込みたくなるのだろう。その慌てぶりがなんともおかしくて、見ていると吹き出してしまいそうなのだが、子ダヌキたちは真剣そのものだ。
親ダヌキが戻ってくるたびに、子ダヌキは親ダヌキについて遠出する。そしてまた慌てふためいて戻って来るのだった。こんなことを繰り返しながら、子ダヌキたちは日に日に行動範囲を広げていくのだろう。



巣穴は子ダヌキにとって安全地帯だ。一目散に逃げ込む

巣穴から姿を現した子ダヌキたち

数日前に訪れた時には、タヌキの巣穴付近での動きが少なかった。今日もあまり期待せずにやって来たのだが、昼前に巣穴から子ダヌキが現れた。親ダヌキが巣穴の前に行くと、すぐに全身が黒っぽいこげ茶の子ダヌキたちが巣穴から出てきた。3頭以上いるのは確認できたが、岩陰に見え隠れして正確な数は分からない。
子犬のような丸っこい顔をして非常にかわいらしい。すぐに巣穴へ逃げ込めるように、巣穴の入り口からほとんど離れない。親ダヌキは1〜2分で去って行った。子ダヌキたちはすぐに巣穴へと戻った。
子ダヌキたちの顔見せは1回だけだった。



親ダヌキに甘える子ダヌキたち

タヌキのお宿は集合住宅

昨年タヌキが出入りしていた巣穴は今年もタヌキが利用している。伊吹山山麓からは車で少し遠征した場所にあるこの巣穴は、山の尾根にポコポコと飛び出している直径10mほどの大岩や1mほどの小岩の下に掘られている。巣穴は全部で10ヶ所ほどもある。
僕が撮影しているところから2つの巣穴が見える。この2つの巣穴は同じ小岩の下にある。手前の巣穴から入って向こうの巣穴へ出たり、その逆であったりと、タヌキの行動から内部で繋がっていることが分かる。
10日ほど前に僕がここを訪れた時、1頭のタヌキが食物を持ち帰ってきた。その時、まわりから3頭のタヌキが現れた。父母のタヌキと昨年生まれたタヌキとがこの巣穴群で集合住宅のように暮らしているようだ。時には大岩の上で日向ぼっこしながら寝そべったり、巣穴の前で眠ったりとのんびりと暮らしている。
今日も11時頃に大岩に1頭が現れた。一旦寝そべったものの間もなく立ち上がり岩を降りていった。その後も何度か1〜2頭が大岩に現れたが、長居はせずに立ち去った。巣穴への出入りは3〜4回あった。
14時過ぎに大岩に現れた2頭は仲良くお互いを舐めあった後、1頭は岩を降り、もう1頭は岩の上で1時間ほどよく眠っていた。
このタヌキたちがほんとうに親子の家族群なのか?
もう少し観察が必要だ。



大岩の上でくつろぐ2頭のタヌキ

小春日和に里山散策

春の野山は気持ちがいい。
今が一年のうちで最も過ごしやすい気候だ。花が咲き、夏鳥たちのさえずりが賑やかだ。オオルリやクロツグミ、キビタキが競うようにさえずっている。遠くからツツドリの筒を叩くようなポポポポという声も聞こえてくる。太く大きなシマヘビが日向ぼっこをして体を温めている。
小高い丘の地上に巣穴を発見。10m四方の中に出入り口が9箇所もある。80mほど離れたところにも巣穴を発見。出入り口は6箇所だ。出入り口にハエがたくさん飛び回っているので使っているかもしれない。巣穴はいずれも出入り口の直径が20〜30cmで、キツネかタヌキまたはアナグマが使用している可能性がある。
さらに80mほど行ったところにも5箇所の出入り口がある。またさらに80mほど先に2箇所の出入り口がある。
2番目に発見した巣穴の近くに戻った時、ガサゴソとかすかな足音が聞こえた。見ると1頭のアナグマが歩いて近づいてきた。6箇所の出入り口のうち一番端の穴へ入っていった。
午後はこの巣穴を少し離れたところから観察と撮影。
待つこと40分。アナグマが巣穴から顔を出した。近くの枯れた枝葉を集めて巣穴へ引き込んだ。出入り口を隠したのだろうか?
2分後、キツネが僕のいる方向へ歩いて来る。70mほど手前で立ち止まった。僕の気配を感じ取っている。方向を変えて去っていった。キツネもこのいずれかの巣穴を利用しているのだろうか?
視線をアナグマの巣穴へ戻すと、アナグマが巣穴から出て歩いている。尾根を越えて見えなくなった。
2時間後の17:15、アナグマが戻って来た。巣穴の10m手前で座り込んで、しばらく毛繕いをしてから巣穴へ戻った。



巣穴へ戻るアナグマ