ニホンジカが背伸びして、高い枝葉を食べる

秋はニホンジカの繁殖シーズンだ。雄ジカは袋角から立派な硬い角へと変わった。雄の縄張り宣言であるフィーーと長いラッティングコールが、山のあちこちから聞こえてくる。

近年、ニホンジカが増えて、伊吹山の草地や樹林の中も植物が食べられて裸地化し始めている。以前は食べなかったトリカブトの葉やコクサギなども積極的に食べるようになっている。
高い所の木の葉には後脚で立ち上がって、枝葉をくわえて枝ごと折取って食べる。背を伸ばし首を伸ばしてもわずかに届かない時には、思わず後脚でジャンプして頑張ることもある。また、角で枝を引っ掛けようとすることもあるが、これはあまりうまくいかないようだ。
植物を食べ尽くしたように見えても、これまで食べなかった植物への順応や採集方法の工夫など、ニホンジカの強さはこの順応性にあるのだと思う。