ツキノワグマ、アリの巣を探して歩く

この時期、ツキノワグマはよくアリの巣を探して歩き回っている。先日、久しぶりにクマが出てきた時もアリの巣を探しているようだった。
鼻先を地上近くに近づけて臭いを嗅ぎながら歩いている。時々岩をひっくり返しながら移動して行く。

アリの巣を見つけてひとしきりアリやアリの卵を食べ終えると次の新しい巣を探して歩き出す。アリの蟻酸の刺激を求めているのか、卵の栄養に惹かれているのか?どちらにしてもクマにとってはあまりに小さい。お腹を満たすというよりも嗜好品なのだろう。



ニホンジカの白斑個体も出産

ニホンジカ白斑個体も今年出産した。一昨年に出産し、1年おいての出産だ。オレンジカモシカの子どもを確認したのと同じ5月16日に子ジカを連れているのを見た。

カモシカが子どもと離れずに四六時中寄り添って行動するのに対し、ニホンジカは子ジカを木陰などのブッシュの中において、母ジカは少し離れたところで採食や休息をしている。イヌワシやツキノワグマなどから子どもを守るためにはどちらがいいのだろうか?
カモシカ式だと母親と一緒に動き回るので目につきやすい。ニホンジカ式だとブッシュの陰でおとなしくしている限り見つかりにくいが、立ち上がって動き回るとイヌワシなどに見つかりやすい。母ジカと離れていて無防備なのですぐに襲われてしまうだろう。
一長一短、どちらが安全だとは言えない。しかし、今春少なくとも2頭の子ジカが伊吹山周辺でイヌワシに捕獲されている。子カモシカが捕獲されたのは確認できていないが、それだけでカモシカ式が安全とは言えない。カモシカよりニホンジカの生息数が圧倒的に多いために、捕獲される子ジカも多いのだ。

白斑の母ジカは、授乳の時になると子ジカの所へ近づいていく。そして授乳が終わるとまた少し離れて別行動だ。母ジカは離れていても常に子ジカの動きを把握している。子ジカが立てる物音には敏感に反応して子ジカを見守っている。今いる場所に危険を感じると、子ジカを連れて安全な場所へと移動していく。
今では子ジカはだいぶ大きくなって動きも素早くなり、イヌワシの捕獲対象ではなくなりつつある。



授乳中の親子ジカ。授乳が終わると子ジカは母ジカと離れて単独で過ごす

オレンジカモシカ,4年連続で今年も出産

オレンジ色のカモシカは、今年も出産した。5月16日に小さな子カモシカを連れているのを確認した。5月9日にはまだ生まれていなかったから、5月10日から15日の間に子カモシカは生まれている。昨年は5月17日、一昨年は5月15日前後だった。3年前の初産の時は5月20日前後と思われた。
子カモシカはオレンジの足元にまとわりつくようにして歩いている。



子カモシカは母親のそばを離れない

イヌワシがオレンジカモシカ母子の近くを飛行した際に、子カモシカを見つけて一瞬翻ったが、母カモシカに寄り添っているのでイヌワシは襲いかかることはなかった。母子はほとんど離れることなく行動しているので、イヌワシが襲いかかるチャンスはめったにないだろう。