農繁期の喧騒がアナグマの巣穴まで届く

小高い尾根のアナグマの巣穴には、農繁期のトラクターや草刈り機の音など、里の喧騒が聞こえてくる。アナグマや他の動物たちもそんなことはお構いなしに悠々と暮らしている。集落まではほんの数百メートルだが、ここにやって来る人は滅多にいない。
9:40、キツネが近くを通り過ぎて尾根を越えて見えなくなった。
11:20、アナグマが戻って来て巣穴へ入る。朝早くに巣穴から出ていたようだ。
13:50、巣穴から出て来た。巣穴の横で毛繕い。毛繕いというよりダニを掻き落としているように見える。痒そうだ。歩き出していつものように左の尾根を越えて見えなくなった。
アナグマの行き先を見ようと尾根まで歩いて行くと下から誰かが登って来た。まさかこの山の中で人に会うとは思ってもいなかったので一瞬ぎょっとしたが、よく見ると隣の集落の正信さんだった。正信さんとは渓流散策や山菜採りで時おり一緒に山歩きをしている。良い天気なので裏山へコシアブラを探しに来られたのだ。一緒に尾根を登ってコシアブラを探す。数本の木から新芽を採集してから別れた。僕は巣穴が見えるところへ戻り、アナグマの帰りを待つ。
17時まで待つが、アナグマ戻らず。



林の中を歩くキツネ

小春日和に奥山散策



太くて大きいワラビが林立する

今日は、地元の人がほとんど行くことのない山奥へ山菜採りに出かけた。清冽な水が流れる沢筋を遡る。ワサビが白い可憐な花を咲かせている。ミズ(ウワバミソウ)もある。岩場にギボウシが伸び始めている。
人の採集圧を受けていない山菜は太くて大きいものが多い。ワラビは茎の太さが1cmもあるのが林立している。
昼食時、対岸の山の斜面にツキノワグマを見つけた。木に登り鮮やかな新緑の葉を食べている。上空高くにイヌワシが舞っている。
夕方帰宅し、ミズとギボウシを塩水でさっとゆがき、タラノメは木灰を入れて茹でる。ゴマドレやマヨネーズなどであえて食べる。ワサビは少量を生のままで肉類と一緒にいただく。ピリッと辛みが効いてさわやかだ。ワラビは木灰で一晩アクを抜くので、明日以降の楽しみだ。