雪のない斜面伝いに山を登るニホンジカ

暖冬でニホンジカは例年より標高の高いところにとどまっている。伊吹山の標高1,000mあたりでも、急傾斜地の雪は風で吹き飛ばされて積もりにくいので、すでに地肌が露出しているところが多い。シカたちはそうした場所に集まって採食している。雪解けが進むのに合わせて標高を上げて行く。雪に覆われていた場所には、冬の短期間ではあるが手つかずの植物が残っている。シカたちはその未開の地へ一番乗りするためにどんどん標高を上げているのだ。
雪が降るとシカは少し後退し、積もった雪が溶けると前進する。一進一退を繰り返しながらも着実に標高を上げて進んでいる。

1週間前には、どういう訳か雌ジカと子ジカばかりだったが、今日は雄ジカもたくさん姿を見せた。これまで最前線にいた雌ジカの群れに変わって、今日は雄ジカの群れが標高1,100mの最前線にいた。

雌ジカと子ジカの群れ

雄ジカの群れ