2人の米原市長が、伊吹山のイヌワシペアに名前を付けてくださいました



ニーナのライブ配信以来、多くの方々に見守っていただいている伊吹山のイヌワシペア。
これまでは「伊吹山の雄イヌワシ」「雌イヌワシ」と呼んでいましたが、個体をより身近に感じられる名前が必要だと考えていました。

今回、「伊吹山のイヌワシ子育て応援プロジェクト」を立ち上げてくださった
平尾道雄 前米原市長 と 角田航也 現米原市長 のお二人に、それぞれ名前をいただくことになりました。

2羽の新しい名前
• 雄イヌワシ : ジネン
• 雌イヌワシ : アリー

それぞれの名前には、次のような想いが込められています。

「ジネン」に込められた想い(平尾前市長より)

釈尊は、自然(しぜん)を「人の手が加わらない、そのままの姿」と説かれ、
それこそが真理であり真(まこと)の理(ことわり)だと示されました。
この自然法爾(じねんほうに)の教えにちなみ、
野生・自然界を象徴する伊吹山のイヌワシ──ニーナの雄親に「ジネン」と名付けました。

「アリー」に込められた想い(角田現市長より)

伊吹山の象徴である「息吹き」をキーワードに、
その意味をもつスペイン語 aliento(アリエント) から名を取り、
雌親に「アリー」と名付けました。

2羽あわせて「自然の息吹き」

ジネンとアリー。
2羽の名前を並べると、まるで「自然の息吹き」がそこに宿るようです。

これからは
雄は“ジネン”、雌は“アリー”
と呼びたいと思います。

伊吹山のイヌワシと野生動物2025年11月11日



伊吹山の紅葉は少し遅いが綺麗な紅葉だ。5合目あたりがちょうど見頃だ。高標高部では落葉して冬支度ができている。

南アフリカに撮影に出ていたので久しぶりのイヌワシペアに会いに来た。観察地点に到着してすぐに遠くの岩に止まっている1羽を発見した。遠いので雌雄は分からない。飛べば見分けはつくのだが飛び立つところを見逃してしまった。

しばらくして雄ワシが上空に現れた。獲物を探しながら伊吹山の東から南側へ飛び去った。まもなく西側からペアで現れ旋回上昇。雌ワシはホバーリングしながら獲物を探している。やがて急降下していつもの止まり場に止まった。雄ワシは一足先に来ていた。
この後雄ワシが飛び立って狩りを試みたが接近する前に気づかれて逃げられたようだった。

次にペアで出て来た時、雄ワシは脚に獲物を持っていた。今捕獲したてのようだ。すぐに降下して岩に止まった。雌ワシも続いて止まる。雄ワシは時々翼をばたつかせて獲物を持ち直している。
まだ食べ始めないので、別の場所に行って食べるのだと思う。風が強くカメラぶれがひどくて見続けていられない。40分ほど経って少し目を離した時にいなくなっていた。
カラスや他の猛禽に邪魔されないように林の中に入って食べているだろう。もう見つけることはできなかった。

食事にかかる時間は1時間から1時間半程度だ。しかし、時間が経ってもイヌワシは出てこない。3時間くらい経った頃、雌ワシが滑翔していくのが見えた。雄ワシと交代して獲物を食べに行ったのかもしれない。
ようやく雄ワシが飛行するのを発見。そのうは膨れている。十分に獲物を食べて来年の繁殖に備えて欲しいと思う。

今年夏過ぎまではペア共に翼の欠損が多かった。今日見たところ雄はほぼ綺麗に生えそろい、雌はもう少し不揃いだがかなり整って来た。次の繁殖へ向けて栄養状態も良くなって来ているようだ。

アフリカ野生動物の旅 Vol.25



南アフリカから11月5日に日本に戻って来ました。
伊吹山は例年より紅葉が遅く、まだ山頂近くまで木々が色づいて残っています。
アフリカでの撮影は終了しましたが、残っている2〜3回分の動画をアップする予定です。

マーシャルの幼鳥は少なくとも2日に1回以上、親鳥から獲物をもらっていました。1日に2回も獲物が運ばれて、もう満腹で食べられずに見ているだけの日もありました。その獲物は翌朝に食べたようでそのうがポンポコリンになっていました。
まだまだ自分では獲物は捕れないです。何か見つけてもそこまで飛んでいくのが精一杯で、襲いかかるところまでいかない状況です。
獲物を見つけるチャンスは日本と比べて格段に多いので、そのうちに狩りを覚えていくでしょう。

レパードはお腹を空かせて獲物を探して歩いていました。800mほど離れたところにいるスプリングボックを狙って、姿勢を低くして接近していきましたが、それほど近づく前にスプリングボックに気づかれて狩りは失敗しました。
500mほど離れているのにスプリングボックが気づいたのには少し驚きました。肉食獣の狩りの難しさがよく分かりました。

アフリカ野生動物の旅 Vol.13〜



9月25日に日本を出発して南アフリカに来ています。
今回はクルーガーとカラハリへの2つの国立公園を訪れました。
今日11月2日が撮影の最終日で、明日から飛行機で移動開始します。日本には11月5日に到着します。

3〜4月に樹木が少ないカラハリを訪れたので、今回クルーガーでは林が比較的多く広がる南部スククーザ周辺を1日200kmほど車で走行しながら野生動物を探索しました。
ハイエナの親子が毎日のように出てきました。レパードの生息が多そうで、僕の車の直前の道路を横断することが4〜5回もありました。これはすごいタイミングです。僕がそこを通るのが30秒ほど前後すると出会うことはなかったです。ライオンも何度か見ることができました。

カラハリは樹木が少なく動物を探しやすいです。この時期は少し動物が少ないように感じました。ライオン・チーター・レパードが見れました。
3〜4月に来た時に巣造りしていたマーシャルイーグルのペアやマーシャルの幼鳥がいた場所などを中心に探索をしました。巣造りしていたマーシャルペアはその後繁殖に成功していました。今回その巣立ったばかりの幼鳥が巣の周辺にいました。まだ自分では狩りができずに親鳥が獲物を持ち帰るのを待っています。
前回幼鳥がいたところではマーシャルは見られませんでした。その時の幼鳥は親のそばを離れて独り立ちしたと思います。
今回ちょうど子育て中のマーシャルの巣がありました。

クルーガーもカラハリも朝は涼しいけど日中はかなり暑かったです。

アフリカでの動物探索の様子を、「African Safari Vol 13|アフリカ野生動物の旅 Vol 13」から開始してYouTubeにアップしています。現在Vol 24まであります。
この後ももう少しサファリの日々の様子をアップしていきますのでご覧ください。

第14回 伊吹山イヌワシ観察会のお知らせ

「第14回伊吹山のイヌワシ観察会」を2025年11月16日(日)に開催します。

いよいよイヌワシの繁殖活動が開始される頃です。ディスプレイ行動などペア行動が多く見られるようになってきます。
ドライブウェイの待避所から定点観察します。

かなり寒くなますので十分な防寒を準備してお越しください。
多くの皆様の参加をお待ちしています。

米原駅での集合時間を10分遅くしました。
他にも時間配分が少し変わったところもありますが、最終の米原駅に戻る時間はこれまで通りです。

第14回伊吹山イヌワシ観察会案内
14_イヌワシ観察会案内

参加申し込みはネットでの申し込みに変更しました。
下記からお願いします。
参加申込

今年最後の観察会です。
来年は5月から開催を予定しています。

第13回伊吹山イヌワシ観察会 報告

朝、目覚めてすぐに伊吹山を見る。雲がやや多いが、くっきりと伊吹山は見えている。雨の心配はないだろう。今日の天気に満足して起き上がり、出発の準備をする。
米原駅からの参加者を乗せてバスが出発。いつものように鉄塔に営巣している2ヶ所のミサゴの巣を見ながら関ヶ原駅、ドライブウェイへと移動する。

ドライブウェイの待避所から観察を開始して間もなく、遠くで数十羽のタカ柱を発見。かなり距離が遠かったので見えた人は少なかったかもしれない。
タカ柱は徐々にばらけて西へと移動を開始し始めた。サシバの群れだった。
その後は、ハチクマが次々と渡っていく。十数羽がまとまって西へと移動することもあった。
ノスリも時々渡っていく。

サシバのタカ柱。遠くてゴマ粒

ノスリ

ニホンジカは木陰で休息

しかし、期待のイヌワシは現れない。ハチクマの滑空はかなりイヌワシに似ているので、識別には少し時間をかけないと見間違えてしまいそうだ。時間をかけて識別と言っても20秒もかかってはいない。それ以上かかるようならもうどこかへ飛び去ってしまう。
ハチクマの出現はドキッとさせられることでいい刺激にはなる。

イヌワシは以前として出てこない。皆、真剣にイヌワシを探している。昼食とトイレ休憩に山頂駐車場へ行く時間が惜しいので、休憩時間を短縮してすぐに観察地点に戻りたいという要望も聞こえてくる。

参加した子供たちも真剣にイヌワシを探している。「イヌワシに会えますように」と七夕の短冊に願いを書いたということだった。その願いを叶えたいとこちらも気持ちが焦るが、とうとうイヌワシは出てこなかった。
う〜〜ん残念。くやしいなー。

子供達も一生懸命に探索

次回観察会は11月16日です。
参加案内は10月に入ってからになります。

10月の観察会はありません。

伊吹山のイヌワシと野生動物2025年8月下旬 空中でトビをキャッチ



AAAAA

タカ類は今年の繁殖を終えて早い個体は移動を始めている。長距離を渡る種や国内の近距離を移動する個体など様々だ。
山麓部で繁殖して育った幼鳥が、伊吹山の頂上近くまで上がってきて狩りをしている種もある。チョウゲンボウやハヤブサ、サシバなどがそうだ。
伊吹山は今猛禽類で賑やかだ。

8月19日に頂上近くの草地に降りて昆虫を食べているシギがいた。オバシギの幼鳥か若鳥ではないかと思うが、オバシギは普段干潟や河口などにいるので渡りとはいえこんな山の中にいるのはちょっと変だと思う。シギ類の識別に詳しい方に問い合わせてみないと僕には分からない。
このシギは、少し後でハヤブサ幼鳥2羽に追われていた。空中でハヤブサが交互に何度も攻撃を仕掛ける。シギは攻撃をかわしながら徐々に高度を上げて逃げている。3羽は雲の中へと入って見えなくなった。
少し後にハヤブサ幼鳥が雲から出てきたが、何も持っていなかったので、シギはなんとか逃げ切ったのだと思う。
その後このシギを見ることはなかった。ここは危険とばかりに飛び去ったのだろう。

イヌワシは獲物を食べたかどうかが分かった4日のうち2日は、少なくとも雌雄のどちらかが獲物を食べた。2日に1回の獲物の捕獲なので、よく捕獲できているほうだ。
8月29日にはついにトビを捕獲する瞬間を映像に収めることができた。長い急降下の後、垂直急降下でトビに襲いかかった。しかし、1回目は失敗。
2回目の攻撃もかわされた。もう無理だろうと思った3回目の攻撃で見事にトビをキャッチした。
まだ生きているトビに衝撃を与えるためなのか、錐揉みで回転しながら降下して消えた。
どこで見ていたのか雌ワシがすぐに現れて、雄ワシが降りたほうへと飛んでいった。
獲物は捕獲した雄が食べる。その間雌は近くで飛んだり止まったりしながら待っている。小さな獲物なら雌の分は残らない。今回の獲物はトビなので少しくらいは雌の分が残っただろうと思う。
満腹になるまで食べるのに1時間から1時間半くらいかかる。予想通り雄ワシはそのうを膨らませて1時間後に出てきた。続いて雌ワシが食べているはずだ。
雌ワシが食べて出てくるのに30分はかからないだろう。トビは食べられる肉は少ないのでほんのわずかしか残っていないかもしれない。10分ほどで食べ終えて出てくる可能性が高い。
残念ながら雌ワシが出てくるのを確認できなかった。

これまでに空中でタカ類を捕獲するのを3回目撃した。1回目は40年近く前だったと思うがトビを捕獲したのを見た。撮影はできなかった。2回目は20数年前くらいにノスリを捕獲したのを撮影できた。
そして今回のトビ捕獲が3回目だ。
猛禽類やカラスを襲うのは度々観察できるが、捕獲に成功するのを目撃できる機会はわずかしかない。

第13回 伊吹山イヌワシ観察会のお知らせ

「第13回伊吹山のイヌワシ観察会」を2025年9月23日(火)に開催します。

9月の心地よい風に乗って飛行するイヌワシを探し行動を追跡します。ドライブウェイの待避所から定点観察します。

子ジカは成長して母ジカと一緒に行動することが多くなっています。雄ジカは袋角から骨化した枝角に変わっています。
ツキノワグマを観察できる可能性もあります。

まだ日差しは強く暑い日もありますが、天候によっては寒くなることがありますので防寒を準備してお越しください。
多くの皆様の参加をお待ちしています。

※ 申し込みされてから3日以上経過してもこちらから受付の返信がない場合は、申込書が届いていない可能性がありますのでお手数をおかけしますが電話で連絡をしてください。

第13回伊吹山イヌワシ観察会案内
イヌワシ観察会案内

参加申込書
参加申込書(Excel)
参加申込書(PDF)

10月は観察会を予定していましたが、都合により中止となりました
11月は日程を変更して開催予定です

第12回伊吹山イヌワシ観察会 報告 追加

雌ワシの飛行  Bo Zhiさん撮影

8月17日の観察会でイヌワシは12回の出現があった。イーグレットのスタッフは参加者の皆さんによりよく観察してもらうために望遠鏡などを操作しているので写真はほとんど撮影していない。
帰りのバスの中で、今日のイヌワシを写真に撮られた方があれば貸してくださいとお願いしたところ、後日Bo Zhiさんが写真を送ってくださった。

写真を見てすぐにその飛行の様子が思い出された。12:30頃に出現した雌ワシである。その時にはそのうが膨れているかどうかを確認する余裕はなかったが、送られてきたこの写真でそのうが少し膨れているのが確認できた。
そのうの膨れ具合から、午前中に小さめの獲物を捕らえて食べたと推察された。

そのうが少し膨れている  Bo Zhiさん撮影


そのうが少し膨れている  Bo Zhiさん撮影

僕はイヌワシが出現した時にそのうが膨れて獲物を食べているかどうかをできるだけ確認するように心がけている。どのくらいの頻度で獲物を捕らえているのかは、その生息地の動物たちや狩り場の状況を反映しているからだ。
写真や映像で撮影しておくと、あとで拡大したり映像をスローにしたりして確認ができる。

17日の観察会の日、雌ワシは獲物を食べていた。19日には雄ワシが食べたのを確認。20日は雌雄とも獲物を食べた。この3日は少なくとも雌雄のどちらかは獲物にありついていた。
1ヶ月くらいの長いスパンの観察で判断する必要はあるが、観察会以降は順調に狩りができているようだ。

次回観察会は9月23日です
参加案内を一両日中にアップします

10月は観察会を予定していましたが、都合により中止となります
11月は日程を変更して開催予定です

第12回伊吹山イヌワシ観察会 報告

今回の観察会も天気の心配はない予報だった。しかし当日の朝、霧の山伊吹山は暗い雲に覆われている。前回の観察会と同じ状況だ。天気予報ではすぐに晴れてきそうだが、バスから見る伊吹山の雲は暗いままだ。

霧が晴れるのを待つ

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観察地点に到着した時も霧の中だった。前回も今回も天気は全く問題なく晴れるはずだったのだが…
霧はなかなか晴れない。前回同様に昼の休憩を30分早めて山頂駐車場へバスで向かった。霧が晴れてきて、観察地点でイヌワシが出現したと無線連絡が入った。山頂駐車場からも探すが確認はできなかった。

観察地点(中央右側)

霧が晴れ、観察開始

観察地点に戻って皆が真剣にイヌワシを探す。間も無く雄ワシが滑翔して我々が見下ろしている沢に入って消えた。
雌ワシがその沢の上空を通過して西方向へと飛び去った。
しばらくして雄ワシが沢から出てきて西方向へ飛行。

イヌワシ追跡中


その後もイヌワシは何度も姿を見せてくれた。10回以上の出現があった。
西の止まり場の木に1羽が長く止まっていて、観察を終了してバスに乗り込んでもまだ止まっているのが確認できた。

午前中は霧の中でどうなるのかと心配だったが、午後には霧が晴れると同時にイヌワシが何度も出現し心配も晴らしてくれた。

イヌワシ岩場に止まる(中央やや右)

今日の第一発見者に贈る「ファーストディスカバリー賞」は、昼休憩の時も観察地点で観察を続けてイヌワシを最初に発見された夏原さんに決定した。
今回の賞品は、前回大変好評だった山形県の名産品「お鷹ぽっぽ」に再登場してもらいました。
夏原さん発見ありがとうございました。

次回観察会は9月23日です。
参加案内を近々アップします。
10月は観察会を予定していましたが、都合により中止となります
11月は日程を変更して開催予定です