ドローンで空から訪問。紅葉の渓谷、五色の滝へ

五色の滝への登山ルートを渓谷に沿って空撮を試みた。2週間前の紅葉真っ盛りの時期だった。下流集落への飲料水の取水地であるダムから出発して、川を遡る。途中にオニグルミの林があって、毎年9月頃に、ツキノワグマがそれらの木に登り、枝を折ってクルミを食べる。折った枝が積み重なってクマ棚として残る。しかし、今年の伊吹周辺はクマがオニグルミの木にほとんど登っていない。山の中に他の食べ物が豊富にあったのだろう。秋になっても集落への出没はほとんどない。

今年の紅葉は今ひとつだった。紅くなるはずの葉が、紅くならずに枯れ葉色だ。それでも春の新緑と秋の紅葉は山の一大イベントであり、やはり美しい。

五色の滝は紅葉の木々に囲まれて、滑らかな花崗岩の岩肌を滑り落ちていた。
五色の滝からさらに山を登り、標高1,100mを超えた山頂近くに、地元で「かさ岩」と呼ばれる大きな岩がある。かつて豊臣秀吉の妻、寧々さんが一時的に隠れ住んだと地元で言い伝えられている場所だ。

かさ岩

この場所には、7年前に「伊吹源流の会」のメンバーと道無き道をかき分けて登った。「かさ岩」の近くの大岩の下には空洞があり、寧々さんが隠れ住んだのであれば、ここで雨風を凌いで寝泊まりしたのだろうと勝手に想像を巡らせた。

そのような五色の滝周辺も数日前からの降雪で、標高800m以上はかなり白くなった。いよいよ冬支度である。
ニホンジカは積雪を避けて山を下り、ツキノワグマは冬眠に入る。大型の獣で残るのはカモシカだけだろう。訪れる人もほとんどなく、五色の滝はしばしの冬眠に入る。



廃屋に現われる動物に変化あり

雪のまったくない新年が明けた。こんな年も珍しい。いつもならクリスマスの頃にどかっと積もって根雪となるのだが…
山は時々白くなるが、里にはまだ積雪がない。

廃屋に仕掛けた自動撮影カメラには、春からずっとニホンジカばかりが撮影されて、他の動物は出て来なくなっていた。それが11月に入ってニホンジカの出現が徐々に減り、タヌキやテンが出て来るようになった。
12月末には、シカはほとんど出なくなり、廃屋は4頭のタヌキの寝床となっている。この4頭のタヌキは、いずれも疥癬にかかっている。体の半分以上の毛が抜けてなくなっている。寒さで冬を乗り切れるだろうか?
数日前、廃屋から100mほどのところに1頭のタヌキの死体があった。この廃屋に出入りしていたタヌキだろう。寒さに耐えられず死んでしまったのか、クマタカなどの捕食者に襲われたのか?死体の大部分は食べられ、頭と背骨と皮だけが残っていた。



廃屋に居着いた4頭のタヌキ