県道を車で走っていると道路脇の雪の上にカモシカが立っていた。自動車が時折行き交う道路を横断して対岸の山へと行きたいらしい。集落内を通ってここまで出てきたのだ。道路を渡るとその向こうには川がある。川を渡ると林になっていて山の斜面に続いている。そこまで行くと安全地帯だ。
車を恐れているようには見えないので、通り過ぎてからUターンしてカモシカのところへ近づいて行った。スピードを落として近くまで行くと、カモシカは危険を感じたらく慌てて向きを変えて走り去った。
何台か車が通り過ぎても気にしていなかったのだが、スピードを落として近づくと恐怖を感じている。動物たちは人間の動きをよく観察している。自分に興味を持つ人間は危険だと思っている。田や畑で農作業をしている人の近くに鳥や哺乳類が出てくることはあるが、撮影しようと構えると動物は逃げて行くことが多い。自分に興味を持たれたことを素早く感じ取って逃げるのだ。
今回のカモシカも、道路を渡るタイミングを見計らっているうちに、このカモシカに興味を持つ人間が現れて一旦引き返さざるを得なくなったのだ。