キツネの狩り、ハタネズミを捕る

キツネの狩りには嗅覚と聴覚が重要な役割を果たしている。臭いで獲物を見つけたり獲物が立てる僅かな物音を聞き分けたり、目で見るよりも音や臭いで最初に獲物に気づくことが多い。
歩きながらも耳や鼻をいろんな方向に向けて探っている。キツネ自身の足音や風の音と、ネズミが立てる微かな物音を瞬時に見分けているのだからすごい能力だ。

2021年1月の京都新聞に狩りの様子を詳しく書いているので、このサイト内の京都新聞でご覧ください。



ツキノワグマがシカを追跡

ツキノワグマはカモシカやニホンジカの幼獣をたびたび食べているようだ(子カモシカの捕食の様子は2013年9月のブログに書いた)。茂みを乱暴に歩き回って子ジカを探しているのを時々見かけることもある。2ヶ月ほど前にはシカを食べている母子のクマを目撃した。
その時食べていたのは子ジカだと思われた。ツキノワグマは立派な角を持ったニホンジカの雄でも捕食することがあるが、多くの場合子ジカを狙っている。

先日、ニホンジカを狙うツキノワグマを観察した。クマのほうは母グマと昨年生まれの2頭の子グマだ。シカを狙っているのは母グマだ。子グマは母グマと一緒にいるだけで狩りができるわけではない。
母グマが斜面上方に鼻先を向けて臭いを嗅いだ後、その方向へ早足で登って行く。その先にはシカの群れがいる。その中には子ジカもいる。クマはその子ジカを狙っているのだ。シカは別のところにも何頭もいるのに、この群れを狙ったのは子ジカがいるからだ。臭いだけで子ジカがいることを察知している。

シカはクマが近づいて来たことにいち早く気づいた。警戒しながらクマとの距離を保って逃げて行く。こうなるとクマはそれ以上近づくことはできない。あっさりと諦めて、母子3頭は方向を変えて去って行った。