泥沼池の恐怖

乾期も終盤を迎えて、湖の水は干上がる寸前だ。わずかに残った水場が泥沼のようになっている。水を飲みにやって来る動物たちは、慎重に足元の様子を見ながら水に近づいている。胴体まで沈み込んでしまいそうになる。水に届きそうなところまで近づきながらも、今一歩が踏み出せずに別の場所から再度アプローチする。これを繰り返してようやく水に届くものもあれば、諦めて帰っていくものもある。

泥沼池に落ちて、もがくインパラ

泥沼池に落ちて、もがくインパラ

昨夕、1頭のインパラがこの池に落ちてしまった。もがいているが体勢は変わらない。立派な角を持つ雄なので危険は十分認識していたはずである。一瞬の判断ミスが命取りになってしまったのだ。

今朝、このインパラの様子を見に行くと、やはり脱出できずにそのままだ。死んでいるのか生きているのか分からないが、まったく動かない。顔が水に浸かっていないところを見ると生きているのかもしれない。しかし、もう動く力はない。

この池には数頭のワニがいる。やがてこのワニの餌食になってしまうだろう。ライオンやチーターだけでなく、こんなところにも危険は潜んでいたのだ。