第11回伊吹山イヌワシ観察会 報告

7月13日の観察会の天気は心配なさそうだったので、天気図と睨めっこすることなく当日を迎えられた。ところが朝目覚めて伊吹山を見ると7合以上が暗い雲に覆われている。天気予報はもうすぐ晴れて来る予報だ。
空は少し明るくなって来た。晴れることを信じてバスでドライブウエイを登って行った。

今回のバスは納車されて3日目の新車ホヤホヤ。最前列から後部まで天井に連なるLED照明や綺麗な座席など、気持ちよくバスに揺られて観察地点へ向かった。

今日の観察場所はいつもより北へ100m離れた待避所に変更している。風向きなどを考慮してイヌワシが飛行するであろう場所が観察でき、運が良ければかなり近くに止まってくれる観察地点を選んだ。
霧はなかなか上がらない。短時間霧が晴れた時にニホンジカの群れが採食しているのが見えた。

昼食とトイレのためにバスで山頂駐車場へ向かう。午後には霧が晴れると踏んで、昼の休憩を予定より30分早めて午後の観察に備えた。
予想通り、観察場所に戻って間もなく霧が晴れた。

皆が集中してイヌワシを探す。1時間が経過し、イヌワシは現れるのかと不安になり始めたその時、背後の上空にイヌワシが現れた。ペアで北方向へ滑翔する。
北尾根で斜面スレスレまで降下して獲物を探している。尾根まで上昇して、さらに北へと飛行する。空気が澱んでいるので3km以上離れたイヌワシは双眼鏡の視界から消えてしまいそうだ。
イヌワシが飛行している地点を皆さんに説明しながら追跡する。しかしもう追跡しているのはイーグレットのスタッフだけになっていた。長い追跡のあと、ペアは北へ4km以上飛行して、暗い山の斜面がバックになったところで見えなくなった。

イヌワシペアが戻ってくるのを待って15:45の終了ギリギリまで観察を続けたがイヌワシは戻ってこない。

今日の第一発見者に贈る「ファーストディスカバリー賞」は、イヌワシペアを最初に発見された網代さんに決定、発表した途端にイヌワシペアが北尾根から戻ってくるのが見えた。

皆がまた観察体勢に戻る。ペアはこっちに向かってまっすぐに近づいてくる。高度を下げながら我々の眼下を通過して飛び去った。
最後の最後に素晴らしい出会いがあった。

中断していたファーストディスカバリー賞の続きを始める。
今回の賞品は山形県の名産品「お鷹ぽっぽ」だ。網代さんは何が出てくるだろうと興味津々に箱を開けている。細長い箱なので「コケシかな?」と言いながら中身を取り出した瞬間に「おおー」と口を開けて驚いている姿がおかしかった。
網代さん発見ありがとうございました。

また、最後の素晴らしい出会いの発見者である眞島さんに特別賞として、イヌワシ写真マグカップを感謝の意をこめて進呈しました。

次回観察会は8月17日です。
参加案内を近々アップします。

※ 今回、僕が伊吹の野生動物を連載させてもらっていた伊吹山周辺の情報誌「ふもと」が、「スーおじさんと伊吹山の仲間たち」という特集号をちょうど発行したところだったので、この小冊子を観察会で販売しました。ついでにイーグレットの販売物も出しました。
ニーナマグカップ、イヌワシ写真マグカップ、ツキノワグマのDVD、イヌワシやクマタカなどの写真クリアファイルなどなど。

※ 「スーおじさんと伊吹山の仲間たち」の原画展が道の駅「伊吹の里 旬彩の森」で7月27日から8月3日まで開催されます。