伊吹山のイヌワシ、今年の繁殖が成功しますように

伊吹山のイヌワシペアは、まさかこの巣をもう一度使用すると思わなかった。ドライブウェイ直下でかなり近い。ドライブウェイにたくさんのカメラマンがいる時にも巣材を運ぶことは時々あった。
しかし、神経質になる繁殖期には利用することはほぼなかった。7-8年前にこの巣で一度だけ産卵したことがあったが、冬期閉鎖が終わりドライブウェイ開業の頃に繁殖は失敗した。この時は、たくさんのカメラマンが訪れると繁殖が失敗する可能性が高いと思いながらも、なす術がなくそっと見守った。声を上げたところで、何も対策はできなかっただろう。

今回は状況が違う。昨年の「イヌワシ子育てライブ」で伊吹山のイヌワシの生活の厳しさ、せめて人の直接的な影響はできる限り避けなければならないことを多くの方々に伝えられたと思う。今なら思い切ってイヌワシの営巣場所を公開してでも、繁殖に重要な場所への人の立ち入りを制限してみんなで見守ることが可能だと思えた。

イヌワシが繁殖に利用している重要な場所への立ち入り制限。その場所は元々、道路交通法で歩行ができない場所であり、イヌワシや貴重植物を守るために立ち入り禁止とされている場所だ。これまでも看板がいくつも立てられているが守られていない。
その場所を今年はイヌワシが繁殖のために占拠した。我々は少し後退して見守ろうではないか。イヌワシが安心して子育てをできたなら、伊吹山の大空に、三つ星を輝かせた若ワシが姿を見せてくれるだろう。
その時をみんなで心待ちにしたい。

イヌワシにストレスのない子育てが続くように、皆さんの協力をお願いします。