African wildlife April 9-10, 2025



狩りをする動物たちが食糧を得るのは大変だ。カラハリでは樹木やブッシュが少ないので獲物を探しやすい。森林に覆われた日本では獲物を見つけるのが難しい。
Martial Eagleは獲物となる相手を頻繁に見つけているのがその行動から分かる。特定の方向を首を伸ばしたり頭を左右に動かしたりしながら注視するときは獲物となる動物を見つけている可能性が高い。
見つけたらすぐに攻撃を仕掛けるわけではない。相手を見つけやすいということは相手からも見つかりやすいということだ。正面から挑んでは無理だろう。
近づいて来る時は通り過ぎるのを待って攻撃を仕掛けるのが賢明だろう。そして近くに逃げ込む巣穴や灌木などがないことも重要だ。これらの見極めは経験だ。未熟な幼鳥は見極めができないのでやたらと攻撃を仕掛けては失敗している。

今回見たOstrich親子は雌雄の親が雛を挟むようにガードしていた。そしてMartialに最も近づいた所で木の上に止まっているのを見事に見つけ出した。
Martialにチャンスはなかった。無理に攻撃を仕掛けることもなかった。
たくさんの雛を連れたOstrichの親子を見ていると、これをMartialが見つけたら簡単に狩りが成功するだろうにといつも思っていたのだが、そんなに簡単なことではないことが今回の一部始終を見てよく分かった。

植物が少ないカラハリでは獲物を見つけやすいが、獲物からもいち早く見つけられやすく、襲いかかるにも隠れるものがない。これはこれで大変なことなのだ。
日本のイヌワシが森林の多い所で獲物を探して狩るのが大変なのと同じくらいのリスクがあるかもしれない。カラハリでも日本でもたくさんの動物がいないとチャンスは巡って来ないのだ。

日本から遠く離れた全く違う環境のワシのことを知ることでより深く日本のイヌワシのことを知ることができた。

映像を撮影することを主目的として来ているが、動物たちのことをいろいろ知りたくなるから映像が撮れなくてもそこに居続けてその動物の行動を見てしまう。サファリではいろんなたくさんの動物に会うために、1つの動物のところに長居することはほとんどない。僕は誰もが見向きもしない遠くのMartialを見続けている。高く高く上昇して飛び回っているのはどのくらいの範囲だろうと1時間以上もゴマ粒より小さいMartialを双眼鏡で追い続けたり、映像には映らないような遠くに止まっているのを何時間も待って次の行動を観察したりしているので、通りかかる人たちにあの人は何をしているのだろうと不思議に思われている。
何か大物(LionやCheetahやLeopardなど)がいるに違いないと思われて、何を見ているのかと尋ねられる。Martialが近くにいる時はすぐに納得してもらえるが、遠い場合だと説明のしようもない。
遠くを飛んでいる時などは、それで見失ってしまうことも多かった。
車に「バードウォッチング お先にどうぞ」の目立つ看板を付けておくのがいいのかもしれない。