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アナグマ君のニアミス

オオルリやクロツグミ・キビタキなど、夏鳥たちの囀りが賑やかだ。雄のヤマドリ2羽が羽毛を逆立てて、ガサゴソと草むらで戦っているのが見え隠れしている。

背後で枯れ草を掻き分ける音がかすかに聞こえた。そっと振り向くと十数メートル先にアナグマがいた。
鼻先を地面に突っ込んで食べ物を探しながらこちらに近づいて来る。
こちらが大きな動きをすると気づかれてしまうので、そのままの姿勢でポケットからiPhoneを取り出して撮影する。
6mほどのところまで来た時に、ようやく僕の臭いに気づいて鼻を上げて臭いを嗅いだ。
それでも大丈夫と判断したらしく、さらに近づいて来る。2mまで来た時、これ以上はヤバイと感じている様子だ。しかし、臭い以外に人間の気配がしないためだろう、アナグマは好奇心に駆られて2、3歩前に出ては戻ることを繰り返している。
それ以上近づく勇気は出ずに、やがて90度方向を変えて走り去った。



人間がいることに気付かずに大接近

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小春日和はクマ日和

今日はクマを撮影する予定はないのだが、クマのいそうな場所を双眼鏡で真剣に探している自分に気づく。昨日のクマの動向が気にかかる。
このところ小春日和の暖かく気持ちの良い日が続いている。毎年ちょうどこの時期にクマたちは冬眠から目覚めて活動を始める。
小春日和に誘われて人間が野山に出かけるようになるのと、クマが活動を始めるのとが同じ時期である。

11時ごろ、昨日の場所から500mほど奥にクマを見つけた。木に登って枝を折って枝先の何かを食べている。クマに近づいて撮影したいところだが、今日は別の動物を追っているので諦める。
夕方、撮影を終えて移動中に再度クマを見つけた。午前に見たところから約150m斜面を下った木に登っている。少し近づいてみる。
枝を折って引き寄せて食べている。枝の先っぽに実が付いていて、それを食べている。ケンポナシのようだ。昨年の晩秋に実ったものが冬を越した今も残っているのだ。ケンポナシは、果実が付いている果柄部分が太く肉厚になって甘くて美味しい。クマにとってもケンポナシの果柄部分が相当美味しいらしく、バクバクと食べている。

薄暗くなり始めた18時ごろ、クマは地上のブッシュ寝転んで時々枝を引き込み、寝床を作っているように見えたが、しばらくして立ち上がり歩き始めた。数本のスギの大木の後ろで動きは止まった。しかし、木の陰で姿はほとんど見えない。ここを寝床とするのだろうか?わからぬまま姿を見失ってしまった。



ツキノワグマ、ケンポナシを食べた後、ブッシュの中に寝転んでくつろぐ

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いよいよクマの季節がやって来た

今年の初グマを観察した。
冬眠明けのクマは眠そうだ。木の中ほどの枝の上で眠っていた。昼間に長時間眠ることはない。15分ほどで立ち上がって木から降りた。急な斜面を横切って200mほど歩いた後、Uターン。また急斜面を横切りながら少しずつ斜面を下ってスギ林で姿が見えなくなった。

今日最初に木の上で眠っているクマを発見した場所は、10年ほど前に冬眠穴を見つけた場所のすぐ近くだった。その時は冬眠する直前の12月下旬で、クマはその穴に出入りしていた。
2年前にその冬眠穴を再度見に行った時、穴には土砂が入り込んで埋まってしまっていた。しかし、今日の出現場所からすると別の冬眠穴が近くにあると思われる。

昨年別の場所で見た冬眠明けのクマは、夕方になると冬眠穴へ戻った。今日のクマも冬眠穴に戻ってくるのではと期待して待ったが、その後クマは姿を現さなかった。
今日はクマとの距離が700mほどもあって、残念ながらカメラに収めることはできなかった。

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雪解けとともにシカが山頂まで戻って来た

この冬は雪が少なかったので、伊吹山は山頂部まで雪がない。積雪がある冬の間、ニホンジカは雪の少ない低標高地へ下りている。春になって、雪解けを追いかけるように山頂へと戻って来る。今年は例年より1ヶ月近くも早く山頂部へ戻って来た。

ニホンジカによる食害が取り沙汰されるようになって久しいが、伊吹山でも十数年前からニホンジカの姿が頻繁に目につくようになった。それまではシカを見ることはかなり難しかった。今では山に登って最初に発見するのがシカである。
シカがあまりに増えて畑の作物の食害や植林木の樹皮はぎ・お花畑の衰退など、人間との軋轢も大きくなっている。伊吹山のお花畑も花が少なくなり、裸地化しているところが点在するようになった。

これら軋轢は、人間と野生動物の共有地を独占的に使おうとする人間側の勝手な言い分ではあるが、人間が農業を始めた昔から続いているのだ。防護して棲み分けたり動物の数を少し減らしたりしながら、共に暮らしていかなければならない。野生動物がいなくなってはつまらない。



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子別れしたオレンジカモシカ

オレンジカモシカが岩場に座っている。子カモシカはまわりに見当たらない。
午後には雄カモシカが現れてオレンジカモシカと2頭で過ごしていたが、子カモシカは現れなかった。

子カモシカは親と別れて単独で生活を始めたようだ。食物が少ない冬に子別れとは、子カモシカにとってなかなか厳しいものだ。まだ遠くへは行かずに、この周辺にいることは間違いないだろうから、いずれ元気な姿を見せてくれるだろう。

母親であるオレンジカモシカは、子育てを終えてホッと一息ついているのだろう。座って休息している時間が長く、のんびりしているように見えた。



子育てを終えて寛ぐオレンジカモシカ。食欲は旺盛、木の枝をバリバリ食べる

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絶滅危惧種?のノウサギ

雪のない冬が続いていたが、先週20cm、昨日は40〜50cm積もった。
雪が積もると動物たちの足跡がよく見えて山歩きの楽しみが増える。近年はテンとノウサギの足跡がかなり少なくなっている。特にノウサギは里山と呼ばれるような場所では足跡をほとんど見なくなった。
ところが今朝、集落のはずれの谷あいの田んぼに出てきた足跡を見つけた。そのあたりではもう何年も足跡を見ていなかった。その後も雪山を半日歩き回ったが、ノウサギの足跡を見ることはなかった。先週も雪の中をまる1日歩いたが足跡はなかった。
ノウサギは非常に減っている。場所によっては少なからず足跡を見ることがあるが、低標高部では知らないうちにノウサギが絶滅するのではと心配になるくらいだ。
ノウサギを主食としているイヌワシやクマタカにとっては死活問題だ。
160126ノウサギ足跡

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廃屋に現われる動物に変化あり

雪のまったくない新年が明けた。こんな年も珍しい。いつもならクリスマスの頃にどかっと積もって根雪となるのだが…
山は時々白くなるが、里にはまだ積雪がない。

廃屋に仕掛けた自動撮影カメラには、春からずっとニホンジカばかりが撮影されて、他の動物は出て来なくなっていた。それが11月に入ってニホンジカの出現が徐々に減り、タヌキやテンが出て来るようになった。
12月末には、シカはほとんど出なくなり、廃屋は4頭のタヌキの寝床となっている。この4頭のタヌキは、いずれも疥癬にかかっている。体の半分以上の毛が抜けてなくなっている。寒さで冬を乗り切れるだろうか?
数日前、廃屋から100mほどのところに1頭のタヌキの死体があった。この廃屋に出入りしていたタヌキだろう。寒さに耐えられず死んでしまったのか、クマタカなどの捕食者に襲われたのか?死体の大部分は食べられ、頭と背骨と皮だけが残っていた。



廃屋に居着いた4頭のタヌキ

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キツネはバッタ捕りに夢中

正午頃、河川敷の木陰で休むキツネを見つけた。まもなくキツネは立ち上がってなにかを追いかけて食べ始めた。双眼鏡で見ると、それがバッタだと分かった。飛び立ったバッタを全力疾走で30mほども追いかけて空中で捕まえるアクロバティックな技も見せてくれた。

望遠レンズ付きのビデオカメラで撮影しているので、何がいるのだろうと通りかかった人が興味を持ってキツネのいるほうをのぞき込んだ途端に、キツネは人間に気付いて走り去った。



バッタを追う

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ニホンジカの耳は集音マイクよりすごい

撮影地に到着してまもなく、足元の崖の下からニホンジカ数頭が警戒声を出して逃げて行った。僕がザックを降ろして機材を準備する音で気づかれてしまった。いつもできるだけ音を立てないようにしているのだが、わずかな物音でも近くにいるシカには気づかれてしまう。シカは無茶苦茶耳がいい。かすかな足音や物音には非常に敏感だ。しかし、同じ場所から聞こえる人間の声やくしゃみをそれほど気にしないのは不思議である。足音は危険だが、声はそれほど危険ではないとなぜか判断しているようだ。

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オレンジカモシカは木登り上手

カモシカは時々木に登って葉を食べる。木に登ると言っても、垂直の木に登れる訳ではなく、斜めに張り出した細い灌木に少し登るだけだ。多くの場合前脚を掛けているだけのことが多いのだが、オレンジカモシカは4つの脚すべてを木の上に乗せて枝先の葉を食べている姿をよく見かける。

今日はこげ茶雄もオレンジの隣で前脚だけを木の上に乗せて採食していたが、脚を踏み外して地上に降りた。オレンジは少しずつ枝先へと進む。蹄をV字に広げて木の枝を挟んでいる。蹄では木の上で思うようには動けない。どうやって木から降りるのかと見ていると、木から飛び降りた。2mほどの高さであるからどうってこともない。
木から降りるには後ずさりするしかないと思ったのだが、無用の心配だった。



灌木の上で採食する

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