Nossobキャンプで宿泊予約が取れたので2泊3日で行くことにした。カラハリの南アのゲート(Twee Revieren)から162km、オフロードで水溜りもあるからかなり時間がかかる。特に今回はこの期間中が一番よく雨が降った。
いつものマーシャルを撮影してからゆっくり行けると考えていたのが、朝の道路状況を見てあまりゆっくりはしていられないと判断した。水たまりがかなり広く深くなっている。
Martialの撮影をほどほどに先を急いだ。予想通り水たまりが多く、200m以上も続いているところが何箇所もあった。そんなところは道から外れて迂回路ができていたが、その迂回路でさえぬかるんでいてぬるぬると滑り、ハンドルも効かないような場所もあった。
迂回路より水の中を行ったほうがいいのではと思い、水たまりに入って行ったこともあったが、深くなってバックする羽目になった。スタックせずに到着できるのかかなり不安になる。
途中で動物を探すこともあまりできなくなって、道路の状況を確認することに集中していた。ピクニックサイトを過ぎたあたりからは道路状況もまだマシになって少し周りを見る余裕もできてきた。Tawny EagleとBateleurがものすごく多いエリアがあった。
しかし、いつものエリアを過ぎてからはMartialに出会えていない。一度だけぬかるみを通過中に飛んでいたのがMartialだと思うが十分確認ができなかった。
雨で増水している初めての道でハラハラドキドキの連続だった。無事16:30くらいにNossobキャンプに到着してホッとした。
ここにはレストランがなかった。当然あると思って確認していなかった。ここではレストランで食べるつもりだったので急遽ショップで買い出して何か作らねばならなくなった。と言っても選択肢はそれほどない。いつも通りパスタだ。パンも買った。卵を見つけたので購入して、ゆで卵にしておけば明日からの昼間に持って行ける。
翌日はさらに北へ車を走らせたが、雨で動物たちの動きもなく早めにキャンプ戻った。
雨が降り続くので帰りの3日目もゆっくりとはしていられない。少しだけ撮影しながら帰りを急いだ。行きに通った道路はさらに増水しているから、途中から丘を横断してAuob川へ出る道にした。
今回のNossobキャンプ旅は雨に降られて動物は今ひとつだった。オフロード走行は緊張しながらも楽しむことができた。
おまけで、最終日の映像を追加しました。
翌日早朝の出発に備えてパッキングがあるのであまりゆっくりはしていられない。それでもいつもの造巣Martialペアも幼鳥も出て来てくれた。
特にMartialの幼鳥は偶然とは思えない巡り合わせだった。ちょうど僕が通りかかった時、幼鳥が200m離れた木から飛び立って、僕が慌てて車を止めた横の木に止まったのだ。幼鳥がさよならを言いに来てくれたとセンチメンタルになってしまいそうだ。ただの偶然だとは分かっていてもすごいタイミングだ。幼鳥が飛び立つのが数十秒遅かったら逆光のその方向は見逃していただろう。
今回撮影に付き合ってくれたMartialペアと幼鳥に最終日に揃って出会えてよかった。
アフリカで野生動物たちを見ていると、身近でじっくりと観察できるだけに日本では気づかなかった野生動物と人間の生活について考えさせられることが多い。
ライオンやすべての野生動物が泥水を飲んで暮らしているのに、人間はいつから泥水を飲めなくなってしまったのだろう。泥水を飲まないことで病気のリスクを下げ長寿を得たのかもしれない。
人間が野生動物や自然の一員として振る舞うことができなくなったのは、泥水を飲まなくなった頃からではないだろうか。野生動物の中に入れなくなったとしても、私たちは野生動物や自然と共に暮らしていく方法を考えなければならないと思う。
私たちは自然環境を破壊する力を持ち過ぎたが、その力をセーブできるのも我々人間だけなのだから。
皆さんにはたくさんのコメントで元気づけられながら、今回のカラハリ撮影行を無事に終えることができました。
ありがとうございました。
日本に戻ったら今度は伊吹山のイヌワシペアの動向を観察して状況をお知らせしていきます。
「伊吹山のイヌワシ観察会」を5月中下旬に予定していますが、今後のイヌワシの状況を見て実施の有無を連絡させてもらいます。