今日は早朝から運良くライオンに出会った。数頭のライオンが少しずつ間隔を置いて一直線に歩いている。その方向には池がある。池に到着するとすぐに水を飲み始めた。数分間かけて水を飲んだ後、そこに座り込んだ。群れの構成は、オスが2頭にメス3頭、子供が2頭の合計7頭だ。
しばらくして1頭の雄ライオンが立ち上がりゆっくりと歩き始めた。まっすぐにこちらに向かっている。望遠レンズ越しに見ていると、もうライオンの顔が車の窓から入って来そうだ。慌てて肉眼で確認するとライオンは数メートル先だった。もう目と鼻の先だ。車の中とはいえ少し緊張する。ライオンは僕の正面で立ち止り、車の中の人間を確認するように見ている。キョロキョロとまわりに止まっている車も確認してからまた歩き始めた。
ライオンは少し先で座った。そこでもまた行き来する車を1台1台確認するように見ている。国立公園内のライオンは人間を気にすることなく、空気のような存在として無視していることが多い。今日のこのライオンの行動は、特定の人間を探しているように僕には思えた。その人間が現れた時、このライオンはどのような行動をするのか?想像は膨らむばかりだが、この行動を説明できるような出来事は起こらなかった。