伊吹の野生 映像展

滋賀県長浜市のアートインナガハマにて、「須藤一成 伊吹の野生 映像展」を開催します。四季それぞれに美しい伊吹山に生息する動物たちを映像で紹介します。お近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。

■日時:2013年10月5日(土)〜10月6日(日)
■開催時間:10:00〜17:00(6日は16:00まで)
■会場:アートインナガハマ

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日本の野生動物管理の転換点

「現在、日本の野生動物管理は転換点を迎えている。」と題して札幌で行われるシンポジウムに、弊社より須藤明子が参加、「専門的・職能的捕獲技術者による野生動物の個体数管理」について講演を行います。本シンポジウムでは、新たな時代の野生動物管理について、環境研究総合推進費による支笏洞爺国立公園での研究事例を中心に、北海道内外の先進事例の報告とともに、野生動物管理を担う人材、組織、体制等について討論も行われます。

□詳細はこちら

■主催:北海道新聞社、道新野生生物基金、酪農学園大学、環境省
■講演:北海道、北海道森林管理局、日本哺乳類学会、野生生物と社会学会
■日時:2013年9月28日(土)13:30~16:30
■会場:札幌国際ビル 国際ホール
■お問い合わせ:酪農学園大学 環境研究総合推進費事務局

コウノトリ飛来

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2013年9月4日15時30分ごろ、米原市北方の田んぼにコウノトリ2羽がいるのを発見した。2羽とも足環を付けており、兵庫県の「コウノトリの郷公園」で放鳥した個体が野外で繁殖し、生まれた子供であることが分かった。2012年生まれの雄と2013年生まれの雌であった。2羽は田んぼで採食した後、飛び立ち、近くの電柱に止まったり別の田んぼに降り立ったりしていた。
近所の人や車で通りかかった人たちが、珍しいコウノトリの飛来に足を止めて見ていた。

Vol.55 ツキノワグマ:狩りをする



イヌワシの巣の上でヒナを食べたり、カモシカの幼獣を捕えたりと、クマはかなり肉食をしている。

主に草食と言われるツキノワグマは、意外にもかなり肉食をしている。これまでにクマが岩壁にあるイヌワシの巣に登ってヒナを食べるのを2回観察した。2回とも同じ巣で、1995年4月と2011年4月のことだ。どちらもヒナが孵化後1ヶ月近く経ってある程度大きくなってから襲われている。それ以上早い時期だとヒナは小さく、危険を冒してまで絶壁を登る価値はない。クマはイヌワシのヒナが食べ頃まで大きくなるのを待っていたのかもしれない。

2011年7月には、カモシカの子供を襲って捕らえるのを目撃することができた。その日クマはかなり急いだ様子で、時々においを嗅ぎながらカモシカ親子がいる方向へ近づいていった。カモシカ親子が消えた林の中へクマが入って行った直後、カモシカの警戒声が聞こえた。15分後、林からカモシカ親子が走って現れた。30mほど後方からクマが追っている。子カモシカは、母親にぴったりと付いて走っている。再び低木林の中へ消えてまもなく、子カモシカがクマに追われて現れた。クマは一気に距離を詰めて子カモシカに飛び掛かった。子カモシカの叫び声が遠くまで響いた。喉元に噛みついて、一回転して止まった。母カモシカが血相を変えて近くにやって来た時には、子カモシカはすでに息絶えていた。母カモシカはそれ以上近づくこともできず、恐る恐る見ていたが、やがて自身の身の危険を感じて逃げ出した。クマは子カモシカをその場に置いて母親を追い始めた。母カモシカは少し逃げた後、子供が気になって引き返す場面もあったが、最後は一気に逃げ去った。カモシカの成獣であれば、突然の襲撃でない限り、クマに捕まることはないだろう。やがてクマは母カモシカを追うのを諦めて、捕らえた子カモシカのところへ戻っていった。

これ以外にもクマがカモシカを追っている姿を何回か観察したが、襲いかかれるほど接近したことはこの時以外にはなかった。狩りに特化した体を持つチーターやライオンのような肉食獣でさえ、狩りの成功率は高くはないので、狩りに特化していない雑食のツキノワグマの狩りの成功率は低いだろう。

またある時には、クマの親子がカモシカと思われる死体を食べていたこともあった。別のカモシカが恐れながらも近づいて様子を見ている。非常に気にしている様子から、死体はこのカモシカの子供と思われた。

ツキノワグマは積極的に獲物を追いかけて狩りをしている。特に、春から夏にかけての動物たちの出産・子育てシーズンは、狩りに絶好のチャンスだ。この季節、クマは昆虫類や爬虫類、キツネやタヌキの子供、大きいものではカモシカやニホンジカの子供など様々な動物を獲物としているだろう。それでも成獣を捕らえるのはかなり難しい。捕獲できるとすれば偶然にばったり出くわすか、待ち伏せをして偶然に通りかかった時くらいではないだろうか。

イヌワシのヒナを食べる場面はほんの数時間の出来事だ。そのようなわずかな時間に、タイミング良く僕が現場に居合わせたことを我ながら不思議に思う。2度もあったのだから。クマがカモシカを襲う時も、なんと見事に僕から見えるところで起こったものだ。どれもこれも奇跡としか言いようがない出会いだった。これらは偶然の目撃であったが特殊な例ではなく、ツキノワグマの一般的な生態であろうと僕は考えている。

このような狩人としてのクマの生態をDVD「ツキノワグマ 〜知られざる狩人の生態〜」(2013/8/6発売)の中で紹介しています。今後このような目撃が各地で出てくることが予想されます。そしてこれはツキノワグマとのつきあい方を考えていく上でも重要な生態であると考えられます。

朝日地球環境フォーラム2013

朝日新聞社主催による朝日地球環境フォーラム2013のテーマ別セッション「野生動物と人間の明日を探る」に、弊社より須藤明子が参加、『日本の森がシカに痛めつけられている。芽や樹皮を食べられ、無残な姿の木々を見ると、深く考え込まざるをえない。人間が身勝手なら、野生動物も身勝手だ。折り合いをどうつけたらいいのだろう?人間に何ができるのか?』について議論を行います。詳細は下記URLにてご確認ください。

■主催:朝日新聞社
■共催:テレビ朝日、国立科学博物館
■日時:<第2日目> 2013年10月1日(火)9:30~
■会場:東京・帝国ホテル 孔雀西の間
■URL:http://www.asahi.com/eco/forum/

第19回 日本野生動物医学会 京都大会

2013年9月1日(日)に行われる日本野生動物医学会(第19回 京都大会)のシンポジウムIV「野生動物の管理と救護を考える」に弊社より須藤明子が参加、「生物多様性保全のための野生動物管理」と題して講演を行います。詳細は下記URLにてご確認ください。

■主催:日本野生動物医学会
■共催:京都大学野生動物研究センター、京都市動物園、京都水族館
■日時:2013年9月1日(日)10:00〜12:00
■会場:京都大学百周年時計台記念館 国際ホールI
■URL:http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/jszwm2013/index.html

DVD『ツキノワグマ』の発売

EAGLET Video Library の第二弾 DVD『ツキノワグマ』が完成しました!


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写真家 須藤一成 が、ついにツキノワグマのハンティングシーンを捉えました!本作品では、植物性の強い雑食とされてきたツキノワグマの、これまでの常識を覆す映像をご覧になれます。

背景音楽には、環境音楽家として活躍される小松正史氏より楽曲の提供を受け、ネイチャー系ヒーリングDVDとしてもおすすめです。

詳しくはこちら!
DVD『ツキノワグマ 〜 知られざる狩人の生態』
Amazonにて好評発売中
環境音楽家:小松正史氏

環境音楽家 小松正史氏のご紹介

EAGLET Video Library の第二弾 DVD『ツキノワグマ』では、環境音楽家の小松正史氏のCDタイトル『コヨミウタ』『Innocence』より楽曲の提供を受け、これを背景音楽として収録しています。


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小松正史氏(京都精華大学人文学部教授)は、音を「聴くこと」の重要性を伝えるために、音の教育・研究・表現活動を行っている映像/環境音楽家です。

音響生態学(サウンドスケープ論)や環境心理学の研究、音育(音のきき方についての教育)をテーマとしたワークショップの開催、作曲活動やピアノCDアルバム制作の傍ら、音楽ホールだけではない音空間でライブ活動を行っています。また、京都タワー展望室をはじめとした公共空間の音環境デザインなども手がけています。

小松氏の最近の状況やライブ活動、著作物などは、同氏オフィシャルサイトを御覧ください。
http://www.nekomatsu.net/

DVD『ツキノワグマ 〜 知られざる狩人の生態』

DVD『ツキノワグマ』
■大きい画像(表面裏面

タイトル ツキノワグマ 〜 知られざる狩人の生態
監督・撮影 須藤一成
音楽 小松正史
発売日 2013年8月6日
仕様 NTSC ALL/COLOR/DOLBY STEREO/36分
字幕 日本語/英語/字幕なし
編集・製作 宮原徹/TM IMAGING STUDIO
制作・著作 須藤一成/株式会社イーグレット・オフィス
取扱先 Amazon.co.jp
■内容
これまでの常識を覆すツキノワグマの生態記録。

主に植物食と考えられていたツキノワグマがカモシカの子供を襲い、イヌワシの巣に登ってヒナを食べる。夜だけでなく昼間も活発に活動する。樹に登って花や実を食べ、湖を泳いで渡る。

日常的な行動から狩人としての生態まで、ツキノワグマの知られざる生態に迫った作品。

■音楽
本作ツキノワグマの舞台となった伊吹山地。その豊かな自然と野生の営みの背景に流れるピアノソロ。森を吹き抜ける風やせせらぎの音など、自然環境音にしっくりとそして力強く沁みわたる美しい旋律が、観るものそして聴くものの心に響く。

本作の音楽は、環境音楽家である京都精華大学人文学部教授の小松正史氏の協力のもと、同氏著作のCDアルバム『コヨミウタ』『Innocence』収録作品より構成されている。

http://www.nekomatsu.net/

■チャプター

#01 冬

ほとんどのツキノワグマが冬ごもりに入る冬、 2mもの雪に覆われた山岳地帯をさまよい歩くクマ。
音楽:むつき(コヨミウタ)

#02 春

植物の芽吹きとともにクマたちは冬ごもりから目覚め、木に登って花や新芽を食べる。
音楽:やよい(コヨミウタ),Spring Breeze(Innocence),Flow(Innocence),うづき(コヨミウタ)

#03 ワシの巣を襲う

岩壁にあるイヌワシの巣に登り、ヒナを食べる。湖を泳いで渡る。
音楽:きさらぎ(コヨミウタ),さつき(コヨミウタ)

#04 カモシカを狙う

カモシカの親子を追い、カモシカの子供を襲う。
音楽:Green Garden(Innocence)

■チャプター

#05 夏

昆虫や爬虫類を食べる。夏の終わり、木の実を食べた後に残ったクマ棚。木に登ってオニグルミを食べる。エノキの実を食べる。
音楽:Swing(Innocence),Sign(Innocence)

#06 秋

カモシカに追われるクマ。晩秋には人里近くに現れ、ギンナンを食べる
音楽:Fantasy(Innocence)

#07 エンディング

冬になり、再び新しい1年が始まろうとしている。
音楽:むつき(コヨミウタ)