野生動物の世界を伝える
人と野生動物の共存について提案する
イーグレット・オフィス
野生動物の保護と管理
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
All the things begin from Golden Eagle!
イーグレット・オフィス
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
弊社代表である須藤一成のDVD作品『ツキノワグマ 〜 知られざる狩人の生態』に音楽協力いただいている、環境音楽家である京都精華大学人文学部教授の小松正史氏の講座のご案内です。
「京都の音」と「音楽」を融合させた新しい表現世界をご紹介。前半は、京都の素敵な音の風景に焦点を当てながら、魅力ある音のきき方を伝授します。後半は、ピアノ演奏や言葉の表現を加えます。今までに体験したことのない感覚世界に触れてみませんか?
■主催:京都学園大学
■日時:2014年2月7日(金)18:30〜20:00
■会場:京都学園大学・京町家キャンパス「新柳居」
■定員:先着順定員60名(参加無料)
■お問い合わせ:京都学園大学・京町家キャンパス「新柳居」
中越森林管理署主催による「イヌワシ保全シンポジウム」に、パネラーとして弊社より須藤明子が参加します。以下、開催の要旨です。
「中越森林管理署では、管内のイヌワシの繁殖状況や行動のモニタリング等を新潟県イヌワシ保全研究会に調査委託し、得られたデータを基に国有林野の森林施業の検討を実施しているところです。 そこで、「森林施業からみたイヌワシの保全」というテーマのもと、これまでの研究成果を広く県民の皆様に発表するとともに、民国連携した取組の紹介をすることを目的として下記のとおりシンポジウムを開催します。 さらに本シンポジウムでは、より多角的な面からイヌワシ保全を検討するため「イヌワシと里山林の整備」「イヌワシと人間活動」等について併せて検討します。 」
□「イヌワシの生態と生息地保全」須藤明子(日本イヌワシ研究会)
□「新潟の農林業とイヌワシ」柳川雅文(新潟県イヌワシ保全研究会)
□「里山林の生態系の維持」大住克博(森林総合研究所関西支所)
□パネルディスカッション コーディネーター 谷本丈夫(宇都宮大学)
■主催:林野庁 関東森林管理局 中越森林管理署
■日時:2014年2月6日(木)13:30~17:00
■会場:南魚沼市民会館 多目的ホール
■定員:200人(参加無料)
■お問い合わせ:中越森林管理署
プロの落語を堪能した後に、野生動物管理についてアマチュア落語家と弊社須藤明子の対談を行います。参加費は3000円で、懐石料理とプロの落語が堪能できます。落語好きの方、お近くの方はどうぞお越し下さい。
■主催:エコノボイス滋賀
■出演:桂米紫
■日時:2014年1月23日(木)12:00~14:00
■会場:水幸亭(滋賀県彦根市西今町572)
■定員:30人
■費用:3000円
■お問い合わせ:TEL:0749-26-1686 担当:田中
『伊吹の野生』に掲載のほ乳類及び鳥類の確認リストを最新の情報に改定しました。
猛獣たちは保護色をしている。チーター、ライオン、ヒョウ。
大地に溶け込み森林にまぎれ、ブッシュに隠れて見えにくくなるのが動物たちの保護色だ。保護色は、草食動物が肉食獣に見つからないためにあるものだと思い込んでいた。ところが、アフリカでライオンやチーター・ヒョウなどの肉食獣を見ていると、以外にもそうではないことに気がついた。肉食獣に追われる草食獣よりも、肉食獣のほうが見つけにくい保護色をしているではないか。
ライオンやチーターが草原に横たわって獲物の動きを追っている姿は見つけにくく、彼らが保護色をしていることを実感する。むしろ、狙われている草食獣のほうがよく目立ち、肉食獣より先に僕の目に止まることが多い。肉食獣は獲物となる動物たちに逸早く見つかってしまうと狩りを成功させることはできない。いくら俊足でも、ある程度距離を詰めてからでないと狩りは成功しない。
チーターが姿勢を低くしてブッシュに隠れながらじわりじわりと距離を詰めていく姿を見ていると、その緊張感が僕にもびんびんと伝わってくる。草食獣も常にまわりを警戒しているから、チーターがデッドラインに到達する前に気づいて逃げてしまうことも多い。
ある時、ヌーとシマウマの群れが同じ方向に向かって警戒声をあげていた。前脚で地面を軽く蹴って威嚇しているようにも見える。その視線をたどると、100メートルほど前方のブッシュの陰に数頭のライオンがいる。ヌーとシマウマは威嚇のような仕草をして、仲間にライオンの存在を知らせている。この距離ならば逃げ切れることを彼らは知っているから、このような挑発的な行動を取っているのだ。
ライオンのほうもそれが分かっているから、この距離から一気に襲いかかることはしない。手分けしていろんな方向から隙をついて近づこうとしている。両者の間にピリピリと張りつめた時間が流れる。しかし、一旦警戒されてしまうと、あの手この手の試みも成功しない。30分ほど経って、ライオンは今回の狩りを断念し、座って休息し始めた。ヌーとシマウマたちも警戒を解き、ゆっくりと遠ざかって行った。
強いものが追いかけ、弱いものはいつも逃げ回っているのかというとそうではない。食うもの食われるものが互いに意識しながらも、意外なほど冷静に共に暮らしている姿に、ある種の不思議さを感じる。
木の上で寝転がっているヒョウもまた保護色をしていて見つけにくい。木漏れ日を浴びた樹木の幹にヒョウの模様が溶け込んで見分けが困難だ。ヒョウは木化けして近くを通りかかる獲物を待ち伏せている。
肉食獣の狩りは派手な攻防だけではなく、休息している時にすでに始まっている。座ってくつろいでいるように見える時でさえ、周辺の動物の動きを常に監視している。この時にこそ周囲の環境に溶け込んだ保護色は有効だ。獲物となる動物が気づかずに近づいてくるのを待っている。
肉食獣は保護色に助けられて狩りを成功させることができる。もしも派手な目立つ色彩をしていたなら、獲物にありつけずに死んでしまうだろう。アフリカの大地で肉食獣と草食獣を見ていると、隠れているのはむしろ肉食獣のほうだ。肉食獣は、草食獣以上に保護色を利用して生きているのだ。
「現在、日本の野生動物管理は転換点を迎えている。」と題して札幌で行われるシンポジウムに、弊社より須藤明子が参加、「専門的・職能的捕獲技術者による野生動物の個体数管理」について講演を行います。本シンポジウムでは、新たな時代の野生動物管理について、環境研究総合推進費による支笏洞爺国立公園での研究事例を中心に、北海道内外の先進事例の報告とともに、野生動物管理を担う人材、組織、体制等について討論も行われます。
■主催:北海道新聞社、道新野生生物基金、酪農学園大学、環境省
■講演:北海道、北海道森林管理局、日本哺乳類学会、野生生物と社会学会
■日時:2013年9月28日(土)13:30~16:30
■会場:札幌国際ビル 国際ホール
■お問い合わせ:酪農学園大学 環境研究総合推進費事務局
イヌワシの巣の上でヒナを食べたり、カモシカの幼獣を捕えたりと、クマはかなり肉食をしている。
主に草食と言われるツキノワグマは、意外にもかなり肉食をしている。これまでにクマが岩壁にあるイヌワシの巣に登ってヒナを食べるのを2回観察した。2回とも同じ巣で、1995年4月と2011年4月のことだ。どちらもヒナが孵化後1ヶ月近く経ってある程度大きくなってから襲われている。それ以上早い時期だとヒナは小さく、危険を冒してまで絶壁を登る価値はない。クマはイヌワシのヒナが食べ頃まで大きくなるのを待っていたのかもしれない。
2011年7月には、カモシカの子供を襲って捕らえるのを目撃することができた。その日クマはかなり急いだ様子で、時々においを嗅ぎながらカモシカ親子がいる方向へ近づいていった。カモシカ親子が消えた林の中へクマが入って行った直後、カモシカの警戒声が聞こえた。15分後、林からカモシカ親子が走って現れた。30mほど後方からクマが追っている。子カモシカは、母親にぴったりと付いて走っている。再び低木林の中へ消えてまもなく、子カモシカがクマに追われて現れた。クマは一気に距離を詰めて子カモシカに飛び掛かった。子カモシカの叫び声が遠くまで響いた。喉元に噛みついて、一回転して止まった。母カモシカが血相を変えて近くにやって来た時には、子カモシカはすでに息絶えていた。母カモシカはそれ以上近づくこともできず、恐る恐る見ていたが、やがて自身の身の危険を感じて逃げ出した。クマは子カモシカをその場に置いて母親を追い始めた。母カモシカは少し逃げた後、子供が気になって引き返す場面もあったが、最後は一気に逃げ去った。カモシカの成獣であれば、突然の襲撃でない限り、クマに捕まることはないだろう。やがてクマは母カモシカを追うのを諦めて、捕らえた子カモシカのところへ戻っていった。
これ以外にもクマがカモシカを追っている姿を何回か観察したが、襲いかかれるほど接近したことはこの時以外にはなかった。狩りに特化した体を持つチーターやライオンのような肉食獣でさえ、狩りの成功率は高くはないので、狩りに特化していない雑食のツキノワグマの狩りの成功率は低いだろう。
またある時には、クマの親子がカモシカと思われる死体を食べていたこともあった。別のカモシカが恐れながらも近づいて様子を見ている。非常に気にしている様子から、死体はこのカモシカの子供と思われた。
ツキノワグマは積極的に獲物を追いかけて狩りをしている。特に、春から夏にかけての動物たちの出産・子育てシーズンは、狩りに絶好のチャンスだ。この季節、クマは昆虫類や爬虫類、キツネやタヌキの子供、大きいものではカモシカやニホンジカの子供など様々な動物を獲物としているだろう。それでも成獣を捕らえるのはかなり難しい。捕獲できるとすれば偶然にばったり出くわすか、待ち伏せをして偶然に通りかかった時くらいではないだろうか。
イヌワシのヒナを食べる場面はほんの数時間の出来事だ。そのようなわずかな時間に、タイミング良く僕が現場に居合わせたことを我ながら不思議に思う。2度もあったのだから。クマがカモシカを襲う時も、なんと見事に僕から見えるところで起こったものだ。どれもこれも奇跡としか言いようがない出会いだった。これらは偶然の目撃であったが特殊な例ではなく、ツキノワグマの一般的な生態であろうと僕は考えている。
このような狩人としてのクマの生態をDVD「ツキノワグマ 〜知られざる狩人の生態〜」(2013/8/6発売)の中で紹介しています。今後このような目撃が各地で出てくることが予想されます。そしてこれはツキノワグマとのつきあい方を考えていく上でも重要な生態であると考えられます。