
ライラックブレステッドローラー
アフリカには原色の鮮やかな色彩の鳥がたくさんいる。こんな派手な色があったのかと驚かされる。金属光沢を持った青緑や蛍光色のような赤など、すごい色だなあと感心してしまう。
アフリカでは鳥だけでなく、人もまた原色鮮やかな服を普通に着こなしている。
All the things begin from Golden Eagle!
ライラックブレステッドローラー
アフリカには原色の鮮やかな色彩の鳥がたくさんいる。こんな派手な色があったのかと驚かされる。金属光沢を持った青緑や蛍光色のような赤など、すごい色だなあと感心してしまう。
アフリカでは鳥だけでなく、人もまた原色鮮やかな服を普通に着こなしている。
チーターを見るといつも「颯爽」という言葉が頭に浮かぶ。寝転がって獲物が来るのを待っているときにも、また立ち上がって歩くときにも、ライオンやレパードとは一味違う気高さを感じる。
今日出会った1頭のチーターは、1本の小さな樹の下に横たわって、獲物が近づいて来るのを待っていた。一見完全な休息モードのように見えるのだが、インパラの群れが現れたときには素早く反応した。頭を少しだけ上げてインパラの動きに注目している。インパラとの距離は120mほど離れている。インパラの群れは、チーターにそれ以上近づくことなく通り過ぎて行く。その時、チーターが動き始めた。
低い姿勢で草陰に隠れながら、インパラのいる方向へと歩き出した。残念ながらインパラは僕のところから見えない窪地に入ってしまった。チーターもその窪地へ「颯爽」と入っていった。
後頭部に長い冠羽と尾羽にも長い飾り羽根がある
鶴のような容姿の鳥、セクレタリーバード。後頭部の羽毛が何本ものペンを刺したように見えることから、英名は書記官のような鳥と名付けられている。日本名はヘビクイワシ。この長い脚で地上を闊歩しながらヘビやトカゲなどを探す。獲物を見つけると叩き潰すように踏みつけて捕まえる。
今はちょうど繁殖に入ろうとしている時期だ。雌(推定)が巣の上で頭を上下させている。地上にいる雄(推定)に対するディスプレイ行動だ。雄は直径15cmほどの干からびたような塊をくわえている。その塊をくわえたまま飛び立って巣に入った。塊を巣の上に置くと雌がその塊をくわえて少し持ち上げて巣に置いた。儀式的なプレゼントであるらしい。その後はペアが巣の上で長い首を交差させて絡ませるディスプレイを繰り返していた。
巣から出て地上をしばらく歩きまわった後、鶴のように優雅に高く高く舞い上がり空の彼方に消えていった。
巣の上に立っている雌親
日本のイヌワシよりも少し大きいマーシャルイーグル。獲物はスティーンボックやギニーフォール、1mほどもあるオオトカゲなどかなり大きな鳥獣や爬虫類などを捕食する。2年に1回くらいのペースで繁殖している。
ヒナの巣立ちは10月初め頃が多い。今回見つけた2巣のうちの1巣には巣立ち間近な雛がいた。別の1巣は繁殖の開始が何らかの理由で遅れたらしく、まだ雌親が巣に座っている。抱卵中なのか小さなヒナがいるのか、巣を見上げて見ているので中の様子は分からない。
3時間ほど経って、雄親が獲物を運んで来た。ほとんど骨だけになった鳥類の残骸だ。雄が去った後、雌親は獲物の肉片を引き裂いて給餌を始めた。ヒナの姿は全く見えないが、孵化後数日程度の小さなヒナがいるようだ。
その後も雌親は抱雛したり巣の上に立ったりを繰り返している。それから10日ほど経った今日は、ヒナが少し大きくなったのと暖かいので、親鳥は巣から離れた木に止まっていた。しかし、まだヒナの姿は見えない。
アリ塚の上で休息しながら獲物を待つ
レパードが木陰になったアリ塚の上で寝そべっている。目を閉じて眠っているだけのように見えるが、実は獲物が現れるのを待っているのだ。
インパラの群れが近づいて来た。レパードは両眼を開き、頭を低くしてインパラの動きを見つめている。しかし、この時はインパラがレパードから少し離れたところを通り過ぎたので攻撃しなかった。
それから2時間ほど経った頃、レパードが動き出した。地面に這いつくばるような姿勢のままアリ塚を降りて窪みに入った。前方に群れから離れた1頭のインパラがいる。インパラが頭を下げて草を食べている間にレパードは歩を進め、インパラが頭を上げると同時に動きを止めて待機する。レパードは、インパラの手前の倒木の陰に身を潜めた。レパードとインパラの距離は十数メートルくらいだ。レパードは今にも飛び出しそうに構えてタイミングを計っている。その時、インパラがレパードに気づき、頭を高く上げてレパードを覗き込んだ。この瞬間にレパードが襲い掛かるかと思ったが、レパードはタイミングを逸して襲い掛かれなかった。一呼吸置いてインパラは一気に駆け出し逃げ去った。
その後も2回、インパラとイボイノシシを狙ったが、距離を詰める前に気づかれて狩りは失敗した。狩りの成功の裏には、その何倍もの失敗があるのだ。
頭部を勢いよく振って水を吹き飛ばす
水面に首から上だけを出してハイエナが水を浴びている。今日はよく晴れて暑くなって来たので、水を飲むついでに水に浸かって暑さをしのいでいるのだ。頭を水中に突っ込んではザバッと上げてブルブルっと水を吹き飛ばす。
一旦水から出たかと思うとまた深みへと進んで水を浴びる。そのうちに水中へと潜ってしまい姿が見えなくなった。水面には波紋だけが残っている。数秒後、水面に頭を出した。耳に水が入りそうだが、入ったとしても勢いよく頭を振って水を吹き飛ばすので耳の中の水も吹き飛んでしまうのだろう。
水を滴らせながらさっぱりとして歩き去った。
群れで水を飲む
水を飲みにやってくる草食動物たちは、ものすごく警戒しながら水辺に近づいて行く。立ち止まってまわりの様子を伺いながら少しずつ前進する。もう頭を下げれば水が飲めるというところまで来ていても、安全が確認できなければ水を飲まずに引き返してしまうこともある。頭を下げて水を飲むことは非常に危険な体勢であるらしい。
この水を飲むという行為は、草食動物だけではなくライオンにとってもかなり神経質になることのようである。ライオンの群れが水を飲んでいるときに、何かに驚いて一斉に水場から離れたことがあった。特にまわりで何かが起こった訳ではなかった。ライオンの近くにいた鳥は何のアクションも起こさなかった。ライオンの警戒心が高まっていたために、何気ないことに過敏に反応したようだった。
ライオンでさえも、水を飲むときは無防備で危険を感じているようだ。
群れで行動し、じゃれあってよく遊ぶ
Wild Dog、その名の通り野生の犬である。飼い犬と同じように、お互いに噛み付いたり押し倒したりと遊びに余念がない。彼らは引き締まったスリムな体と常にまわり警戒する緊張感を持っている。この緊張感が野生動物を魅力的にしているのだと思う。
彼らは複雑なまだら模様の体色をしている。個体ごとにこの模様は少しずつ違うから詳細に記録すれば個体識別も可能だろう。このまだら模様がなんとも美しい。Wild Dogのもう一つの魅力である。
雛は僕を覗き込み、親鳥は目を瞑ってキーと鳴く
今回初日にこの大型のフクロウに会ってラッキーと思っていたのだが、今日は2回も出会った。どちらもタカの古巣を利用したと思われる木の上の大きな巣に、巣立ち間近の雛1羽と親鳥1羽がいた。どちらも同じシチュエーションなので、車で走り回っているうちに同じ巣を違う角度から見ているのではと一瞬考えてしまった。その上行動もほとんど同じだ。雛は僕のことが気になるらしく、首を伸ばして頭を傾げてこっちを覗き込んでいる。親鳥は目を瞑り、時々キィーと小さな声で鳴いている。どちらの親鳥もこのように鳴いているので何か意味があるのだろうが、僕には理解できない。
親鳥も雛も瞼が鮮やかなピンク色をしている。まるでおどけた化粧をしているように見えるのだが、これもまた特徴的でかっこいい。
今日は早朝から運良くライオンに出会った。数頭のライオンが少しずつ間隔を置いて一直線に歩いている。その方向には池がある。池に到着するとすぐに水を飲み始めた。数分間かけて水を飲んだ後、そこに座り込んだ。群れの構成は、オスが2頭にメス3頭、子供が2頭の合計7頭だ。
しばらくして1頭の雄ライオンが立ち上がりゆっくりと歩き始めた。まっすぐにこちらに向かっている。望遠レンズ越しに見ていると、もうライオンの顔が車の窓から入って来そうだ。慌てて肉眼で確認するとライオンは数メートル先だった。もう目と鼻の先だ。車の中とはいえ少し緊張する。ライオンは僕の正面で立ち止り、車の中の人間を確認するように見ている。キョロキョロとまわりに止まっている車も確認してからまた歩き始めた。
ライオンは少し先で座った。そこでもまた行き来する車を1台1台確認するように見ている。国立公園内のライオンは人間を気にすることなく、空気のような存在として無視していることが多い。今日のこのライオンの行動は、特定の人間を探しているように僕には思えた。その人間が現れた時、このライオンはどのような行動をするのか?想像は膨らむばかりだが、この行動を説明できるような出来事は起こらなかった。