毒ヘビ、樹上で生活

枝を伝って移動する

世界最強クラスの毒ヘビ、ブラックマンバ。「噛まれたら30分以内に血清をうたなければ死んでしまう」と現地の人に聞いたことがある。30分というのが事実かどうかはわからないが、非常に強い毒を持っていることは確かだ。

ブラックマンバにはこれまでに何度かお目にかかった。1度目はジンバブエの国立公園内の道路だった。長さが3mほどもある大きなもので、素早く道路を横切っていった。また、捕獲した2,5mほどのブラックマンバを間近で見たこともある。その後も道路を横切るのを2回くらい見た。

今回はクルーガー国立公園のレストキャンプ内で、人や車が通る道脇の木に登って枝の上でとぐろを巻いていた。1.8mくらいの大きさなので、4m以上にもなるブラックマンバとしては小ぶりなほうだと思う。大勢の人が木の下に集まってブラックマンバを見ていた。

日本なら人の集まるレストキャンプのようなところへ毒ヘビが出てきたなら、すぐに捕獲されるだろう。アフリカではどうするだろうかと興味があった。

ブラックマンバの語源は、口の中が黒いことからきているらしい。舌も黒い

2日後、そのレストキャンプに行くと、同じ木の下で数人が上を見ている。ブラックマンバが前回と同じ木の上にいた。枝を伝って少しずつ移動している。数羽の小鳥がヘビの周りに来て騒いでいる。その4日後には、2本隣の木に移っていた。枝が重なり合っているので、枝伝いに移動して来たのだろう。5日以上も木の上で暮らしている。

アフリカではブラックマンバを木から落としてまでは捕獲はしなかった。レストキャンプと外の原野をヘビは行き来できるので、1匹を捕獲したところでレストキャンプ内が安全というわけではない。

自分の身の安全は自分で十分注意して、自己責任で行動すべし、ということだ。