今回1カ月の間に怪我をしているライオンを2頭も見た。1頭は左脚首辺りが裂けてぱっくりと口を開け、傷は奥のほうまで達している。人間なら何針も縫う大怪我であるが、このライオンは歩いても怪我をしていることをほとんど感じさせない。雌2頭で行動しているので、獲物が捕れずに困ることもないだろう。
別の1頭は、右後脚を引きずるように歩いていて具合が悪そうだ。少し距離があるので怪我の詳細はわからないが、立ったり座ったりするのもやりにくそうだ。この状態では獲物を捕獲するような激しい動きはできないだろう。単独で周りに仲間はいない。インパラが近くを通っても狩をする素振りは見せなかった。傷が癒えるのを静かに待つのだろうか?このライオンのこれからの行動が気になるところだ。
肉食獣の怪我の頻度は高いのではないかと思える。ライオンなどの大型肉食獣は、自分よりも大きな動物も度々捕獲するので、狩りは非常に激しいものになる。角を持った動物も多いので角で突かれたり脚で蹴られたり、油断すると自分の生命も危ない。強いということばかりが強調される肉食獣だが、彼らも死と隣り合わせで狩りに挑んでいるのだ。