野生動物の世界を伝える
人と野生動物の共存について提案する
イーグレット・オフィス

野生動物の保護と管理
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…


All the things begin from Golden Eagle!
イーグレット・オフィス
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
鼻先と前脚で地面を掘り、ミミズを探して食べる
このところ毎日のように雨が降り、肌寒い日が続いている。サクラはこの雨の間に満開を迎え、今はほとんど散ってしまった。
家の外は出るのも億劫な雨だが、こんな日にも集落脇の田んぼの畔で餌を探すアナグマがいた。昼間に堂々と、まわりの様子を気にするふうもなく餌探しに夢中になっている。草むらを鼻先と前脚で忙しそうに耕して、時々何かをくわえて食べている。
食べているのは、太くて大きなミミズだった。
4月12日8時、タムシバの木に登っているクマを発見。このところ毎日クマを見ている。クマたちは今、タムシバの花を盛んに食べている。
8:20、別の所でタムシバに登るクマを発見。8:30、さらに別の1頭が地上を歩いている。9時、タムシバに登っている4頭目のクマ発見。花をたくさん付けた食べ応えのありそうな大きな木に登っている。
こんな風にクマを見ていると、クマがゴロゴロとたくさんいるように思われるかもしれないが、広い山並みのあっちに1頭こっちに1頭といった具合にポツリポツリと見つかる程度だ。このあたりは森林に覆われているので、発見するのも追跡するのも難しい。実際にはこの何倍ものクマがいるだろう。
9:30、クマタカが対岸斜面を旋回上昇して尾根を越えて行った。
9:55、地上で採食するクマ発見。5頭目にしてやっと撮影できそうなクマを発見できた。僕のいる所から約200m。地形から見るとさらに近づくことができそうだ。
撮影に集中する。近い時にはクマは約50mのところにやって来た。しかし、木やブッシュが邪魔してなかなか撮影が出来ない。クマは昼寝と採食を繰り返している。冬眠明けのためかよく眠る。採食と昼寝の時間は半々くらいだ。
機材を片づけ始めた時、6頭目のクマを発見した。これもまた地上で眠っている。
ササのタケノコを食べるツキノワグマ
8時に昨日の観察地点着。どんよりと曇り、今にも雨が降り出しそうだ。まもなく、昨夕最後まで見ていたほぼ同じあたりにクマ発見。昨夕からほとんど移動していない。このあたりで眠っていたのだろう。昨日同様、新芽を食べている。ササのあるところではタケノコを食べている。
11時前には姿を見失った。雨が降り出した。付近にいると思うのだが、ちょっとしたブッシュや林の陰で姿が見えなくなることが多い。13:35になってようやく姿を現した。やはり遠くには行かずにブッシュの陰で眠っていたのだ。採食と移動を繰り返す。
雨本降りが続く。クマは平気な様子で相変わらず採食を続けているが、こちらは雨にめげて退散する。
4月に入りタムシバが咲く季節になった。ツキノワグマたちは冬眠から目覚め、活動を始めている頃だ。今年はまだクマ探しに行けていない。しかし、今年になって初グマはすでに見ている。3月9日に集落近くの川沿いを歩いている痩せて毛づやの悪い1歳のクマを偶然に発見した。前日に小さな子グマがサル捕獲檻にかかっていたらしいのだが、僕が見に行った時にはいなくなっていた。クマの大きさや発見場所がサル檻からそれほど離れていないことから、同一のクマにほぼ間違いはない。10cm四方の網目を抜け出たか、出入り口をうまく持ち上げて逃げたかのどちらかのようだ。昨秋このあたりでは、集落にある柿を食べにクマが大出没した。子グマの痩せこけた様子や行動から、母グマはいない。おそらく昨秋大出没した時に母グマは捕獲されてしまったのだろう。子グマは空腹のあまり冬眠もそこそこに活動を始め、サル檻のサツマイモに引き寄せられて捕まったのだ。一旦はうまく逃げ出したものの、4月2日になって目撃場所近くで子グマの死体を発見した。ほとんど骨と皮だけになっていた。僕が目撃してから数日のうちに死んでしまったようだ。母親なしでは冬を乗り切ることは出来なかったのだ。
タムシバの花を食べるツキノワグマ
今日4月9日、遅まきながらクマ探しに出かけた。昼前に観察ポイント着。すぐに1頭目のツキノワグマを発見。予想したとおり、タムシバの木に登って花を食べている。12:20頃に2頭目を発見。地上の灌木の根元で眠っている。冬眠明け間もないので食い気より眠気のようだ。14:30頃に3頭目を発見。地上で灌木の新芽を食べている。3頭は離れた別々の場所にいるが、同時に見えている。眠っていたクマも起きて採食したり、また眠ったりを繰り返している。1頭目のクマは別のタムシバの木に登り変えている。たくさんの白い花が咲いてきれいだったタムシバの木は、クマが登ったあとには花がかなり食べられて遠目には目立たなくなっている。2本目の木も見る見る色あせていく。16時頃には1頭目と2頭目の姿が林の中で見えなくなってしまった。3頭目は見え隠れしながらもまだ採食を続けている。発見した時の場所から100m以内をうろついている。18:30少し薄暗くなり始めた。今日の観察は終了。
今月より新たなコンテンツ『伊吹の野生だより』を始めます。伊吹の麓に住み、そして伊吹の森で活動する写真家 須藤一成が、豊かな自然の象徴である”伊吹の野生”の姿、音、そして声を映像や写真とともにお届けします。
2015年2月7日(土)にスノーシューハイク&アニマルウォッチングを催します。場所は伊吹山麓または奥伊吹周辺を予定しており、動物写真家である弊社代表の須藤一成がご案内します。
動物たちの足あとを探しに雪の森へ出かけ、運がよければ動物たちにも出会えるかも!?たくさん歩いた後は、雪の野山で手作りのお弁当と暖かい飲み物でランチ!初心者の方も子どもたちも大歓迎です。
対象は原則、小学4年生以上(靴のサイズが23センチメートル以上の人)で、集合・開催場所は積雪状況により決定し、後日参加者に連絡します。ふるってご参加ください!
■伊吹の森 スノーシューハイク&アニマルウォッチング
■日時:2015年2月7日(土)9:00〜15:30(※予定)
■主催:米原市
■共催:滋賀県立大学地域共生センター
■申込先:米原市役所環境保全課
■申込締切:2015年1月28日(水)
現在開催中の第20回「野生生物と社会」学会 犬山大会に続けて、野生動物関連4学会の合同企画によるシンポジウムが開催され、弊社より須藤明子が参加、カワウの関連事例の報告を行います。
以下、シンポジウムの開催趣旨です。
開催趣旨:
平成26年5月、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」の改正案が可決され、 平成27年度から「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(以下、鳥獣保護管理法)」として施行されることになりました。この法律には、野生動物との関わりが深い研究者から出されてきた提言等が反映され、実効性に大きな期待が寄せられています。その一方で、適切な運用体制をともなわなければ、これまで以上の混乱が予測される案件も含まれております。
そこで、日本哺乳類学会、日本霊長類学会、日本野生動物医学会、「野生生物と社会」学会の4学会は、新たなスタートを切る「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に寄せる期待を示すと同時に、その実効的運用に関わる提言を行う場として本シンポジウムを企画しました。この場で示された諸提言が国や地域の現場に浸透し、より理想に近い「野生動物保護管理システム」が構築されることを願ってやみません。
■企画:
日本哺乳類学会
日本霊長類学会
日本野生動物医学会野生動物保護
「野生生物と社会」学会会
■日時:2014年11月3日(月・祝)9:30~15:00
■会場:犬山市国際観光センター フロイデ 4F フロイデホール
■入場無料・事前申込不要
■お問い合わせ:
岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科/鈴木正嗣
E-mail:mszk@gifu-u.ac.jp
TEL&FAX:058-293-2958
2014年7月19日、伊吹山頂草原植物群落天然記念物指定10周年を記念して開催されるイベント『百名山のなかの伊吹山&ユウスゲまつり』に、弊社より須藤明子がトークショー(第2部)のパネラーとして参加します。
「もっと、知って!伊吹山」と題して行われるトークショーは、吉本興業の滋賀県住みます芸人ファミリーレストランが司会を努め、パネラーとして萩原浩司氏(第1部講演会講師/山と渓谷社)、野間直彦氏(滋賀県立大学)、平尾道雄米原市長が参加されます。
尚、イベントは伊吹山山麓含め終日開催される予定で、同山麓から会場の三合目まではシャトルバスも運行されます。お近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。
■百名山のなかの伊吹山&ユウスゲまつり
■日時:2014年7月19日(土)
■主催:米原市教育委員会(歴史文化財保護課)
【 第2部 – トークショー】
■時間:14:10〜15:10(14:00開会)
■会場:伊吹山三合目
2014年3月15日〜16日の週末、滋賀県米原市大久保にて開催される第5回セツブンソウふれあい祭にて、「須藤一成 写真・映像展 伊吹の野生 2014」と題して、伊吹山周辺で見られる野鳥の写真や、特別天然記念物に指定されているカモシカの貴重な映像を展示公開いたします。お近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。
■第5回セツブンソウふれあい祭
■日時:2014年3月16日(日)
■時間:9:30〜15:30
■会場:大門坂荘
■主催:伊吹の源流を考える会