野生動物の世界を伝える
人と野生動物の共存について提案する
イーグレット・オフィス
野生動物の保護と管理
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
All the things begin from Golden Eagle!
イーグレット・オフィス
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
雪のない年末年始だったが、ようやく本格的な雪が降った。小鳥たちが雪に覆われた山から里へと降りて来た。集落周辺の林や建物の陰など、雪が積もりにくい場所で必死に採食している。
寒波が去った穏やかな今日は、鳥たちも活動的に見える。凍った湖にもわずかな水面を見つけてカモたちが集まっている。
降雪中は姿を見せなかったモズが、晴れ間とともに家の周りに出て来た。太陽の光を浴びて、少し動き出した昆虫を見つけては食べている。獲物は主にカメムシである。
雪の上には昨夜歩いたキツネの足跡が続いている。雪の上をよく見るとテントウムシが歩いている。よくぞ冷たい雪の上で活動しているものだ。夕方になって太陽光が弱まる前に、冬眠に戻れるいい場所に辿り着かなければ生き延びることはできないだろう。
今日は動物たちが元気を取り戻したかのような穏やかな冬の晴れ間だった。
冬の晴れ間に動き出した動物たち。雪上のキツネの足跡。凍結を免れたわずかな水面に集まるオシドリ、オオバン、キンクロハジロ。カメムシを捕食するモズ
自然と共に「伊吹の野生を撮り続けて」と題して、写真家須藤一成のエッセイ連載が滋賀民報で始まります。月1回、年12回の連載となります。お楽しみに!
■滋賀民報
http://shigaminpo.com/
■2017年1月15日号の掲載記事
http://shigaminpo.com/BN/img_BN/201701154.png
弊社代表であり写真家でもある須藤一成が、「野生を撮る」と題して滋賀民報の取材を受けました。2017年1月1日・1月8日合併号に記事が掲載されています。
■2017年1月1日・1月8日合併号
http://shigaminpo.com/BN/20170101.shtml
■掲載記事
http://shigaminpo.com/BN/img_BN/201701016.png
オレンジカモシカは朝から子カモシカと一緒にいる。秋には子カモシカと別々に暮らしていたのだが、冬になって一緒にいるのを見ることが多くなった。
秋はカモシカの繁殖期だ。雄カモシカがオレンジにつきまとっているために、子カモシカは母親のオレンジから離れて生活を始めていたのだろう。
10日ほど前にこの親子を見たときには、子カモシカがオレンジのそばに近づくがなんとなくよそよそしい感じがした。親子はすぐに別々の方向で採食してはまた合流するといった具合だったが、今日は一日中一緒に座って休息したり採食したり離れずにいる。
子カモシカは単独で十分生活していけるようになっている。次回出会った時には、この親子は一緒にいるのか別々にいるのか気になるところだ。
オレンジカモシカ親子の再会
謹賀新年。新しい年が始まりました。
今日は今年初の山行だ。この冬はまったくと言っていいほど雪が積もらない。伊吹山は標高1,000mあたりまでがうっすらと雪化粧する程度である。
ニホンジカは雪が積もると山麓部へと降りて行くのだが、雪がないので山頂近くにまだたくさんいる。ニホンジカも今日が今年初の観察だ。
運良くイヌワシが近くに出現した。今年の初イヌワシだ。イヌワシの飛翔はいつ見ても華麗で格好いい。
獲物を探して斜面すれすれを飛行したり上空でホバリングをしたりと目まぐるしく飛び回った。
ブッシュや草が雪に覆われると獲物を発見しやすいのだが、今冬のように雪がないと獲物探しも大変だ。
暖冬というのはイヌワシにとって厳しい冬なのだ。
イヌワシの華麗な飛翔
福井県獣医師会のワークショップである野生動物・自然環境保全事業研修会に弊社より須藤明子が参加、「野生動物の守り方~生物多様性保全を目指す取り組み~」と題して講演を行います。
■主催:公益社団法人福井県獣医師会 野生動物・自然環境保全事業委員会
■日時:2016年10月30日(日)13:30~16:00
■会場:アオッサ 706号室
■お問い合わせ:0776-28-1244
中部近畿カワウ広域協議会において、「中部近畿のカワウ管理,次のステージへ ~中規模コロニーの個体数管理事例~」題して、弊社須藤明子が講演を行います。
■日時:2016年10月13日(木)
■備考:非公開

人気の無い山奥に、何やら白っぽい墓石のようなものが林立している。これは、植樹した苗木にプラスチックの筒を被せて、シカやカモシカが食べないようにしたものだ。遠目にも沢山の白い棒状のものがよく目立つ。一見不気味な印象だ。
10年以上も前にこの筒を被せる防除が流行って、山のあちこちに見られるようになった。
しかし、雪の重みでプラスチックの筒が中の木とともに折れ曲がったり、夏の暑さで木が蒸せてしまったりと、食害は防いでも木は育たなかった。最近は新設されたものを見なくなったが、昔の残骸があちこちにある。

支えのポールを残して、倒れた筒は雨や雪で斜面を押し流されている。谷底まで落ちて川に浸かっているものもたくさんある。雨が降って大水が出るたびに流されて、すでに海まで流れ着いたものもたくさんあるだろう。
粉々になった大量のプラスチックが海に浮遊している、というナショナルジオグラフィックの記事を思い出し、よそ事ではなく身近で起きていることだと実感した。
そもそも設置する段階で、不要になったときの回収を義務付けるべきだと思う。回収しないのであれば、大量の不法投棄と言われても仕方がない。
昨年に続いて今年も出産するのではないかと期待した通り、オレンジカモシカは子カモシカを連れて現れた。子カモシカは、母親にぴったり張り付いているかのように寄り添っている。母親も子カモシカの様子を見ながらゆっくりと歩いている。
カモシカの子供はなんともいえず可愛らしい。近くで出会ったなら連れて帰りたい衝動に駆られてしまうだろう。かなり昔のことだが、へその緒がついた生まれて間もないカモシカの子供に山の中で出会ったことがある。詳細はネイチャーエッセイVol.35を見てください。その子カモシカは僕を母カモシカと間違えて、僕の行くところへついてくる。なんて可愛い動物なんだと思ったものだった。
今日の子カモシカは、遠く離れたところから見ているのだが、可愛らしさは十分に伝わってくる。しかしこの小さな可愛らしい動物にとって、野生の世界には危険がいっぱいだ。少し離れたところでは、朝からツキノワグマが歩き回っている。鼻先を上げて匂いを嗅ぎながら何かを追跡している。
子カモシカを捕食する動物にはツキノワグマやイヌワシ、キツネなどがいる。うまく危険を回避して生きのびてくれることを祈らずにはいられない。
オレンジカモシカ、昨年に続き出産。子供を連れて現れた
オオルリやクロツグミ・キビタキなど、夏鳥たちの囀りが賑やかだ。雄のヤマドリ2羽が羽毛を逆立てて、ガサゴソと草むらで戦っているのが見え隠れしている。
背後で枯れ草を掻き分ける音がかすかに聞こえた。そっと振り向くと十数メートル先にアナグマがいた。
鼻先を地面に突っ込んで食べ物を探しながらこちらに近づいて来る。
こちらが大きな動きをすると気づかれてしまうので、そのままの姿勢でポケットからiPhoneを取り出して撮影する。
6mほどのところまで来た時に、ようやく僕の臭いに気づいて鼻を上げて臭いを嗅いだ。
それでも大丈夫と判断したらしく、さらに近づいて来る。2mまで来た時、これ以上はヤバイと感じている様子だ。しかし、臭い以外に人間の気配がしないためだろう、アナグマは好奇心に駆られて2、3歩前に出ては戻ることを繰り返している。
それ以上近づく勇気は出ずに、やがて90度方向を変えて走り去った。
人間がいることに気付かずに大接近