わんぱーくこうちアニマルランドで開催される第15回 アニマルランドいきもの講座にて、「野生動物の守り方」と題して弊社の須藤明子がセミナーを行います。お気軽にご参加ください。
■第15回 アニマルランドいきもの講座
■日時:2015年11月29日(日)13:00~14:30
■場所:わんぱーくこうち展示学習室
■対象:小学生から大人まで
■定員:先着30名様
■参加費:無料
■申込先:わんぱーくこうちアニマルランド
All the things begin from Golden Eagle!
わんぱーくこうちアニマルランドで開催される第15回 アニマルランドいきもの講座にて、「野生動物の守り方」と題して弊社の須藤明子がセミナーを行います。お気軽にご参加ください。
■第15回 アニマルランドいきもの講座
■日時:2015年11月29日(日)13:00~14:30
■場所:わんぱーくこうち展示学習室
■対象:小学生から大人まで
■定員:先着30名様
■参加費:無料
■申込先:わんぱーくこうちアニマルランド
正午頃、河川敷の木陰で休むキツネを見つけた。まもなくキツネは立ち上がってなにかを追いかけて食べ始めた。双眼鏡で見ると、それがバッタだと分かった。飛び立ったバッタを全力疾走で30mほども追いかけて空中で捕まえるアクロバティックな技も見せてくれた。
望遠レンズ付きのビデオカメラで撮影しているので、何がいるのだろうと通りかかった人が興味を持ってキツネのいるほうをのぞき込んだ途端に、キツネは人間に気付いて走り去った。
撮影地に到着してまもなく、足元の崖の下からニホンジカ数頭が警戒声を出して逃げて行った。僕がザックを降ろして機材を準備する音で気づかれてしまった。いつもできるだけ音を立てないようにしているのだが、わずかな物音でも近くにいるシカには気づかれてしまう。シカは無茶苦茶耳がいい。かすかな足音や物音には非常に敏感だ。しかし、同じ場所から聞こえる人間の声やくしゃみをそれほど気にしないのは不思議である。足音は危険だが、声はそれほど危険ではないとなぜか判断しているようだ。
カモシカは時々木に登って葉を食べる。木に登ると言っても、垂直の木に登れる訳ではなく、斜めに張り出した細い灌木に少し登るだけだ。多くの場合前脚を掛けているだけのことが多いのだが、オレンジカモシカは4つの脚すべてを木の上に乗せて枝先の葉を食べている姿をよく見かける。
今日はこげ茶雄もオレンジの隣で前脚だけを木の上に乗せて採食していたが、脚を踏み外して地上に降りた。オレンジは少しずつ枝先へと進む。蹄をV字に広げて木の枝を挟んでいる。蹄では木の上で思うようには動けない。どうやって木から降りるのかと見ていると、木から飛び降りた。2mほどの高さであるからどうってこともない。
木から降りるには後ずさりするしかないと思ったのだが、無用の心配だった。
2ヶ月ほどオレンジカモシカの母子の様子を見ていなかったが、今日は母も子も元気な姿を見せてくれた。
今はカモシカの発情期なので、1頭の雄カモシカがこの母子につきまとっている。こげ茶色をした雄で、体や角の大きさからオレンジカモシカより1歳年下のようだ。
昨年もこのこげ茶雄がオレンジカモシカにつきまとっていた。昨年は小さくて子どもっぽく見えたが今はだいぶ立派になっている。子カモシカの父親はこのこげ茶雄と思われる。この時期だけ親子3頭が揃って生活している。
ニホンジカも今が発情期だ。雄は雌を追ってガサゴソとブッシュをかき分けて歩き回り、時々ピィーフューと甲高い声で鳴くので山は賑やかだ。
Black Eagleの育雛中の巣を発見した。遠いのと巣の半分くらいしか見えないので詳細はわからないが、巣のまわりの岩にたくさんの糞が付いていることや親鳥が出入りしていることから育雛中であることは確かだ。
この親鳥が巣から約500m離れた岩場に激しくコールしながら急降下を繰り返している。一旦その攻撃が終わっても、しばらくするとまた同じ場所に同じようにコールしながら急降下攻撃を繰り返す。これはその場所に普通ではない何かがいるはずだ。もしやそこにCrowned Eagleが止まっているのでは?
目を凝らしてその場所を双眼鏡で見続ける。何かが動いた。薄茶色っぽいものが動くが、遠いのと陽炎のせいで鳥か獣かさえも分からない。しばらくするとその物体が立ち上がり歩き出した。Leopardだ。そこで日向ぼっこして寝ていたようだ。少し歩いて今度は木陰で寝転がった。Black Eagleがまた攻撃を仕掛けている。巣に近づかれてヒナが襲われてはたいへんだ。
しかし、Leopardは動じることなく木陰に居座っている。夕方までLeopardは動かなかった。
明日は朝から帰国を開始しなければならない。Leshiba Wildernessのロッジを出発した後、30時間後には日本に到着だ。
クルーガーN.Pを出発して350kmほど車で走ったLeshiba Wildernessというところに来ている。ここは標高が1,200mほどの高原にある。まわりは1,400〜1,600mほどの山に囲まれている。今日は雲が多いことも関係してかなり肌寒い。
アフリカでは山より平原の方が哺乳類も猛禽類も多いように思う。今回の撮影行の最後に山の猛禽の状況を見に来たのだが、あまりいないのではと少々不安だ。
到着した日の午後、周辺を散策すると、Rock KestrelやJackal Buzzard、そしてBlack Eagleのペアが飛び回ってくれた。大型猛禽類の獲物となるDassie(ハイラックス)やGuineafowl(ホロホロチョウ)はたくさんいるようだ。
翌日からLeshibaのエリアを広く見て回った。Wahlberg’s EagleやAfrican Goshawkなどが出現した。また、アフリカで最も大きくパワフルなAfrican Crowned Eagleのコールが何度か聞こえた。声は700mほど離れたところから聞こえているようだが、そのあたりを探しても姿は見つからない。かわりに木の上に造られた大きな巣を発見した。コールがその方向から聞こえたことや、巣の大きさなどからおそらくCrowned Eagleの巣であろうと思われる。
遠いのではっきりと確認できないが、現在は使用中ではないようだ。今の時期は抱卵から育雛の時期であるが、Crowned Eagleは2年に1回しか繁殖しないので、使用している確立は1/2である。
その後もこの周辺を観察するが、Crowned Eagleの出現はなかった。
クルーガーN.Pでの撮影は最終日になった。
Tawny Eagle、Wahlberg’s Eagle、African Hawk Eagle、Brown Snake Eagle、African Fish Eagleなどいろんな猛禽と出会ったが、Martial Eagleほど神出鬼没な猛禽は珍しい。出会いの頻度は1日1回程度しかない。やっとのことで見つけても、一旦飛び立つと高く舞い上がってどこかへ消えてしまう。
平坦な地形なので双眼鏡で点のようになったMartialを延々と1時間以上も追えることが時おりあるが、やがて大空に吸い込まれるように消えてしまう。長時間空を見上げて双眼鏡で追い続けるのはかなり疲れる。なのに結果は、空の彼方に消えてそれっきり分からなくなってしまうのだから疲れも倍増する。
止まっていたところへ何度行っても同じあたりで見ることはほとんどない。ましてや同じ木に止まっていることなどまったくない。日本のイヌワシやクマタカなどの大型猛禽は、よく利用する木や場所があるのだが、Martialにはそれが見られない。Martialが棲んでいる場所では、どの木に止まっても広い視界が得られるので、決まった木や場所にこだわる必要がないのだろう。
こんなMartialが最終日には大サービスしてくれた。止まっているところから飛び立って上空を飛び回った後、再度遠くの木に止まり、また飛び立って今度は低空を飛行して見えなくなった。30分後、消えた付近をMartialが飛行しているのを発見。翼の欠損状況から同一個体であることが分かる。
今度は高空を飛び回ってやがて見えなくなった。これほどMartialの行動が繋がって観察できたことはない。なんとなくMartialの動きが見えてきた感じがあるのだが、もうクルーガーから出て次の場所へ移動しなければならない時間になっている。心残りだが、次の目的地へと車を走らせた。
快晴の暑い日が戻って来た。南部アフリカは、季節が日本とは逆なので今は早春である。夏鳥たちがちょうど渡って来る時期だ。
イヌワシの仲間のWahlberg’s Eagleも夏鳥としてやって来る。9月の初めまではめったに姿を見なかったが、数日前から急に目に付くようになった。昨日の夕方、枯木に止まるペアを見つけた。2羽が寄り添って止まり、頭や首の羽繕いをお互いにしあっている。求愛ディスプレイの一種と思うが、延々と続いてお互いにうっとりして気持ち良さそうだ。
今日の夕方、またその場所を通りかかると、同じ枯木に昨日とまったく同じようにペアが止まって羽繕いしあっている。午前中にここを通った時にはいなかったので、夕方になるとこの枯木にやって来るようだ。彼らも恋の季節なのだ。
このほほ笑ましい光景に、通りかかった多くの人たちが車を止めて観察していく。これほど多くの人たちに祝福されるWahlberg’s Eagleは他にはいないだろう。
このところすっきりしない曇り空が続いている。わずかな雨が時おり降っている。気温も下がり肌寒い。今日は朝から本降りになった。これまでこの時期にまともな雨に遭ったことがなかったのだが…
乾燥した大地は、風や車の走行、動物が走ることによっても激しく土埃が舞い上がる。少し雨が降ってくれると土埃が治まって助かる。細かな土埃は気をつけていてもどこからともなく侵入して、カメラもいつの間にか土埃をかぶってしまう。雨でこの土埃がなくなって快適だ。乾期が続くと多くの人が雨を待ちわびている。久しぶりの雨に歓声を上げる人もいるくらいだ。
雨は午後3時頃にやっと上がった。あちこちに水たまりが出来た。動物たちも久しぶりの雨を喜んでいるだろう。リクガメの一種のヒョウモンガメと思われるカメが道路に出て来た。車の轍に流れる水に顔を突っ込み、雨を待ってましたとばかりに水を飲み始めた。顔を付けたまま2分間ほども一気に水を飲んだ。そしてまた顔を突っ込み、長—い水飲みが始まった。よほど喉が渇いていたらしい。
長い乾期の終盤、多くのいきものが雨を待ちわびている。